暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第43話 『手加減』
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た。
そうすると彼は実演しながら説明したほうが分かりやすいと判断したのか、厚さ十数センチの鉄ブロックの壁をパネルから生成した。
興味を示してか、隊長、新人たちも集まる。
彼はその壁と向き合い、
「まず、『ネコあし』というのは……」
造作なく凹み、吹き飛ばされ、その後に激しい破壊音がなり、壁は消える。
「音速を超える速さで蹴る技というのは説明しました」
「は、はい」
名前に沿う技であり、間近で見てティアナは目を見開く。
今度は蹴りやすいよう円柱状の人ほどある鉄柱を生成し、構えた。
「『ネコのて』というのは……」
彼はゆっくりとつま先をコツンと壁に当てると、
「蹴りの方向と慣性の法則にズレを生じさせる技です」
横一文字に鉄柱が凹んだ。
「……どういうことですか?」
今度は。と、ゆっくりと横に蹴り、足の甲を柱に当てると釘を撃たれたように地に沈む。
「縦と横が分かりやすいので、それで説明しますと、基本的に蹴り上げれば衝撃は上へ、蹴り払えば衝撃は左に流れていきます。このけりこむ動作を小さく小さく絞り上げていくと、見た目と衝撃が必ずしも一致しなくなります」
「は、ぁ……」
「なので」
もう一度鉄柱を出現させて横に蹴ると、今度は上に跳ね上がった。
「このようになるわけです」
「なんてぇ技だよ」
「見えない蹴りですと、勘の良い方には対処されてしまいますから、相手の認識できる速度で放つことに意味があります」
隊長たちは原理とそのフェイントの重要さに気づき頷く。
「コタロウさん」
「なんでしょうか、高町一等空尉」
「その『ネコのて』はどれくらいで習得を?」
「4年前ですが、厳密に言うとまだ至っていません。『ネコあし』ほどの威力を出すことができていませんので。不意の威力は存じ上げているので手加減はできますが」
「今のでも実戦では十分通用するものだと思いますよ?」
「ありがとうございます」
鉄柱を消し、傘をティアナから受け取るとシグナムのほうへ歩き、敬礼ををした。
「本日はありがとうございました」
「いや、依頼したのはこちらだ。礼を言う」
「お怪我のほうは?」
「たいしたことは無い、こちらとしてはお前に――」
「失礼します」
初撃を受けた手を持ち、軽く押す。
「ぐぅ」
彼女は顔を歪ませた。
「後でシャマル主任医務官に診ていただいたほうがよろしいと思います」
「……お前」
彼女はため息をついて表情を戻すと、落ち着いたのか口調もトゲがなくなる。
「こちらも手加減できずにすまんな」
シグナム
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