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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第43話 『手加減』
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と追いやられる。
 土煙だけが彼女の居場所を把握する目印になり、その移動が止まるとゆっくりと浮かび上がった。


「ガハッ」


 咳を繰り返しながらも呼吸を整えたシグナムは魔力を練ると突撃していった。手甲が砕けてなくなっているのには誰もが気づいた。
 シグナムの一閃を彼は足でいなし軌道を変えて対応していた。傘ほど受け流しは滑らかでないが、対応方法は傘と変わらず基本は受け流すというスタンスらしい。
 そして、彼の繰り出す『ネコあし』は果敢に避ける、あるいはコタロウと同じようにバリア――必ず一撃で破壊される――を使用して受け流していた。彼女の目は獲物を狩る獣のような眼光で周りを気にする要素をひとつも見せていなかった。相手を確実に墜とす剣技を披露している。


「すごい」
「ですね」


 スバルにエリオが頷き、ティアナとキャロは見逃すまいと目を凝らした。


「今の一撃みた?」
「三撃よ」


 スバルの言葉をティアナは修正する。


「そうなんですか?」
「エリオ、黙ってみたほうがいいわよ」
「は、はい!」


 ティアナは「こう、こう、それで……」と全てコタロウの戦術を学び取ろうと目を凝らしていた。


(ティア、前とは全然違う)
(後で見直さないと、忘れそう)
(……見えない)


 とそれぞれ思うことがあったが口には出さなかった。


「ねぇ、ティア?」
「……ん、なに」
「あのさぁ」
「用件は簡潔に!!」
「はいぃ。ネコさんのもうひとつの技ってなに?」
「『ネコのて』っていう足技」


 ティアナは技名だけ答えた。目は戦闘から離さない。


「それもやっぱり、由来あるの?」
「聞いたところだと、『ネコあし』からつけたらしいけど、『あし』が『見えない技』なら『て』は『見える技』みたい。どんな技かは私も分からないけど、出すときは技名言ってやってくれるって、先生私にいってたわ」
「そっかー」


 シグナムの剣、コタロウの足はお互い致命傷にならずお互いの武器が当たるときの空気の圧縮音が鳴り響いた。


「コタロウさんの初撃を受けた分、シグナム副隊長のほうが若干不利かも」
「だな」


 隊長陣は互いの状態まで見れるようで、エリオが振り向いた。


「なのはさんやヴィータ副隊長は――」
「……私たちはエリオたちに教えてるだけじゃなくて」
「常にアタシらも研鑽してんダヨ」


 ちらりとこちらを向くなのはとヴィータの瞳がティアナと同じように全てを見逃すまいと瞳孔が開いているのが分かった。。


「フェイト隊長はどれくらいまで見えてる?」
「え、うーん……全部見えてる、かな。一応得意分野だし」


 二人
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