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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第43話 『手加減』
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とドアに向かって歩き出している。


「ちょっと、ティア〜?」
「……」
「――ひっ!」


 瞳に生気はなかったが目付きは怖く、近づくな、邪魔するなというオーラだけが彼女を支配していた。不機嫌なときのティアナであり、付き合いの長いスバルにとっては知ったオーラであった。


「えと、あの……」
「……」


 ドアを開け、一歩一歩前に進むティアナを


(一体どこに行くんだろう?)


 と、スバルは後に続いた。月明かりだけが廊下を照らしているので誰かが見れば不気味であることこの上ないが、スバルは彼女が起きているのか寝ているのか分からないという不可解さが心を占めていたので気にすることは無かった。そして、段々と行き先がどうもコタロウの部屋に向かっていることが分かった。


「ティア〜」
「……」


 返事は無い。
 彼の部屋のドアの前に立つとボタンを押して開けた。コタロウとの訓練が始まったタイミングで彼はティアナに部屋の開け方を教えていたのである。


「……」


 スバルが横に立っているのにも関わらずティアナは反応する様子がない。彼女はコタロウの寝ているベッドまでゆっくりと歩くと、


「え!? ちょ――」


 おもむろにコタロウに四つん這いで覆いかぶさった。


(よ、夜這い!? なわけないか。でも、止めないと!)

「ティア、起き――」
「私を、ティアって呼ん、で……スゥ」
「……」


 そのまま、ティアナはコタロウの耳に鼻先が付くほどの距離で身体を彼に預け、すぅすぅと寝息を立てた。


「あぁ、うーん、そういうことかぁ」


 スバルはそれを見て、最近彼女が訓練とは別のストレスと感じていることの合点がいった。






魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第43話 『手加減』






「え、模擬戦、ですか?」
「はい」


 周りに隊長陣がいるなか、コタロウはなのはに許可を願い出た。


「ティアナと、ですか?」
「いえ、シグナム二等空尉です」


 以前、彼とティアナが模擬戦したとき、彼女の自信を打ち砕くことから禁止したのは数日前の話である。


「え、シグナム?」
「はい、主。お互いの時間が空いたときに約束をしまして。以前のテスタロッサ隊長が行なったものではなく、今回は傘なしでの戦いになります」
「というと?」
「コタロウも反撃するということです」
「マジか」


 コクリとシグナムは頷いた。彼から聞くに傘を使わなければ一般戦闘の心得はあるということらしい。


「あれ? でもトラガホルン二佐が言うには防戦一方ていうて
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