Lv63 狭間の門( i )
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賭けになるが……もうやるしかない……)
アシュレイアは玉座に腰掛けたまま、目を閉じて印を組み、呪文を唱え続けていた。
俺達の接近に気付いているとは思うが、なんのアクションも起こさないのが気掛かりであった。
(恐らく、俺達の事よりも、結界の方を優先してるのだとは思うが……なぜ座ったまま動こうとしない……何か引っかかる。が……今はそんな事を考えている暇は無い。攻撃対象は印を組む奴の手だ……最大魔力圧のライトニングセーバーをお見舞いしてやる!)
アシュレイアに10mくらいまで接近したところで、俺は魔導の手を奴の身体に伸ばして引き寄せ、一気に間合いを詰めた。
そして、最大魔力圧のライトニングセーバーを発動し、雷を纏う眩い光の刃を振り被ったのである。が、しかし……奴はそこで呪文詠唱を止め、二ヤリと笑ったのであった。
【フッ、掛かったな、コータロー】
と、次の瞬間、奴が腰掛ける玉座から、刺々しい芋虫みたいな魔物が突如現れ、口から無数の白い糸みたいなモノを吐きだしたのである。
俺は成す術無く、その糸に絡めとられてしまい、身動きが出来なくなってしまった。
(なんで魔物が玉座から……ハッ!? わ、わかったぞ、違和感の正体がッ! 俺は物事を見誤っていた。奴の魔力の波動で、ソレに気付かなかったんだ……ここで謎が解けるなんて……クソッ、予定変更だッ)
糸を振りほどこうと、俺は必死にもがいた。
だが、思うようにいかない。
「チッ、なんだよこの糸はッ!」
糸は粘着力があり、良く伸びるのである。
しかし、それほど強度はないのか、俺がもがく度に、糸はプツプツと切れていた。
とはいえ、振りほどくには少々時間が必要であった。
だがそれは……致命的な時間を敵に与えているに等しい行為だったのである。
【フフフッ……お前なら、そう来ると思っていた。どうだ、コータロー、サンドワームの糸は? そこまで絡みつくと、そう簡単には取れんぞ。だが、安心するがよい。お前はもう動かなくて良いのだからな……さぁコレを受け取るがよいッ】
玉座に腰掛けるアシュレイアの竜の手がグンと勢いよく伸び、俺に襲い掛かる。
俺はその瞬間、奴の手の中にある物体に、思わず目が行った。
なぜなら、そこにあったモノは、俺が長い間苦楽を共にしてきた武器であったからだ。
そう……旧型の魔光の剣が、奴の手に握られていたのである。
だが、魔光の剣はまだ発動していない。その為、剣の柄だけが襲い掛かるという感じであった。
魔光の剣を握る奴の手は、瞬く間に、俺の鳩尾へと到達する。
そして、奴が発する声と共に、魔光の剣はその力を解き放ったのである。
【死ねッ、コータロー! 自らの武器で果てるがよいッ!】
鳩尾に鋭い激痛が走り、俺の喉元を生暖か
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