Lv63 狭間の門( i )
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…強風なのは正面だけです。なので、目くらましをした後は、風が弱い左右のどちらかから近づくしかありません。それと素早さですが、それについてはこれで対処します……ピオリム!」
俺達全員に緑い色の霧が纏わりついてくる。
3度の重ね掛けを施したので、皆の身体は緑色のオーラを発しているかのようであった。
つまり、俺達は今、かなり素早さが上がっているということである。恐らく、倍以上の底上げはされてるに違いない。
「先程のアヴェル王子とレイスさんの戦いを見る限り、これだけピオリムを使えば、レヴァンの素早さにも、そうそう後れを取ることはないでしょう」
「確かに……では行きますか?」
「ええ。まずは皆と共に戦うフリです。それから、私が合図を送ったら、光の剣を使ってください」
アヴェル王子は首を縦に振ると、大きく息を吸い、声高に告げた。
【皆、気を緩めるな! 幾ら魔物になったとはいえ、レヴァンの体力も無限ではない。いつまでもこんな風は起こせ続けない筈だッ!】
レヴァンの嘲笑う声が聞こえてくる。
【クククッ、馬鹿め! 私の仰ぐ力が尽きるまで待つだとッ、この間抜け共がッ! その前にアシュレイア様の結界は完成するわッ! 貴様等は成す術無く死ぬんだよッ! クハハハッ!】
レヴァンはそう告げるや否や、更に強く翼を仰いだ。
アシュレイアの結界が完成するまで、これを続けるつもりなのだろう。
(風は強力だが……ある意味、好都合だ。始めよう……)
俺は光の杖と魔光の剣を握り締め、アヴェル王子に言った。
「アレをお願いします、アヴェル王子」
王子は無言で頷くと、自身の胸元で光の剣を縦に構えた。
その刹那、太陽の如き閃光が、奴に向かいに放たれる。
【グアァァ、これは光の剣かッ! オノレェェ】
あまりの眩しさに、レヴァンは瞼を閉じていた。
どうやら、目くらましは成功したようだ。今が好機である。
「王子、行きますよ!」
「ええ!」
俺達はこの隙を利用して、風の弱い箇所を駆け抜けた。
レヴァンは目くらましの影響で、俺達の行動には全く気付いてない。
その為、俺達はすんなりと、奴の暴風圏を突破する事ができた。
俺とアヴェル王子はそんなレヴァンを横切り、その後方にいるアシュレイアへと間合いを詰める。
ちなみにだが、奴との距離は俺が一番近かった。理由は勿論、俺の方が早いからである。軽装備と重装備の差が、ここで出ているのだ。
(このままいくと、アシュレイアへの最初の攻撃は俺からになりそうだ。しかし……リュビストの結界が発動してるにもかかわらず、なんつー魔力の波動だよ。波動自体はさっきより弱まっているが、まさか、こんな化け物だったとは……。おまけに身体も、トロルやサイクロプスくらいはありそうだ。魔光の剣が通じるかどうかは
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