Lv63 狭間の門( i )
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早い対処が必要なのです」
アヴェル王子はそこで、アシュレイアと巨大化したラーの鏡に視線を向けた。
「そ、そういうことか……」
「恐らく、奴の結界術は、あの2つの手が組む印が肝なんだろうと思います。それを解く事ができれば、一気に流れは変わる筈です。そして……それが可能な手段は、魔法が使えない現状だと、デインの魔法剣だけなのです」
「それはわかりましたが……デインの魔法剣は、奴に効果があるのですか? ヴィゴールには効果がありましたが……」
「奴は俺がライデインを使った直後、マホカンタを自分とレヴァンに使いました。それを見る限り、恐らく、多かれ少なかれ効果はあると思います。でなければ、自分にまで掛ける必要がないですからね。それとこれも言っておきましょう。ライデインはデインを強化した魔法なので、同じ系統の魔法です」
アヴェル王子は目を大きくした。
「え? そうなのですか?」
「ライデインとデインは同じ系統の魔法です」
「という事は……コータローさんも我々と同じ魔法を使えるのですか?」
「今まで黙ってましたが、使えます」
「そうだったのですか……では、その件については後で訊かせて貰うとして、今は奴の対処を優先しましょう」
俺の言葉を聞き、アヴェル王子は目つきが変わった。
少しは希望の光が見えたからだろう。
「コータローさん、どうするといいですか? 貴方の指示に従います」
俺はそこで、床の中心で渦巻く紫色の煙をチラッと見た。
煙はゆっくりとではあるが、逆回転を続けていた。かなり良くない兆候である。
(チッ、不味い……アシュレイアの魔力に押され続けている。見た感じだと、あと数分しか持たなそうな感じだ。なんとかして、早く奴の魔法を止めないと……)
レヴァンに視線を向けると、今も尚、俺達を近づけまいと翼を豪快に仰いでいた。
あの調子だと、まだまだ仰ぎ続けられそうな気配である。
俺はアヴェル王子に耳打ちした。
「王子……まずは皆と共に、レヴァンの相手をするフリをしてください。敵を騙すには、まず味方からです。それから、頃合いを見計らい、光の剣を使って、奴等の隙を突きましょう」
「目くらましをするという事ですか?」
「ええ。あの強烈な光を浴びれば、例え、目くらましが失敗したとしても、奴等の視界は一時的に死角ができることになります。そこを突いて、アシュレイアへ一気に接近するしかないです」
「アシュレイアへ攻撃するのは我々だけで?」
「ええ、我々だけです。あまり人数をかけると、いくら目くらましをしたとはいえ、レヴァンも流石に気づくかもしれませんので」
「ですが、今のレヴァンは素早いですよ。我々の動きについてくるかもしれません。それに、これだけ翼を仰がれると、近づくのは至難の業です」
「奴の仰ぐ風は確かに厄介ですが…
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