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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv63 狭間の門( i )
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の為、俺はその方法を取る事に、少し躊躇しているのである。
 しかし、俺達に残された時間はそれほど無い。悠長に構えている内に、奴の結界魔法が完成してしまうからだ。
(この部屋に入ってから、ずっと違和感があるが……それを考える時間がない。もうイチかバチかで、やるしかない、か……)
 俺はアヴェル王子に耳打ちをした。
「それなんですが、アヴェル王子にお頼みしたい事があるんです」
「頼み……なんですかそれは?」
「今から俺と共に、アシュレイアに直接攻撃をしてほしいのです。但し、デインの魔法剣を行使して、ですが……」
「デインの魔法剣で直接攻撃……」
「今のこの状況を打破するには、アシュレイアが行使している結界魔法を止める以外にありません。上手くいくかどうかはわかりませんが、俺達が奴に直接攻撃するしか、現状、方法がないのです」
 アヴェル王子は疑心暗鬼な眼差しを俺に向ける。
「そんな事……できるんですか? 今のレヴァンはかなり厄介ですよ。レヴァンを倒さずに、奴の所に行くのはかなり厳しいのでは……」
「レヴァンの相手は、俺達以外の皆にお願いするしかないでしょう。何れにしろ、この事態を打開するためには、やれる事をする以外にありません」
「ですが、コータローさん……レヴァンの注意を逸らせたとしても、あのアシュレイアという魔物は、俺と貴方だけでは絶対に倒せませんよ。貴方が発動した結界のお陰で、奴も本来の力は出せないかもしれないが、それでも、あのとんでもない魔力の波動は、まだまだ健在です。それと、これは俺の見立てですが……あのアシュレイアという魔物は、俺達が束になっても、いや……イシュマリアの全魔導騎士を向かわせたとしても、倒せない気がします。さっきの奴を見て……俺はそう思いました。悔しいですが……俺達は敵の力量を見誤っていたんですよ。まさか……あんな魔物がいるなんて……」
 アヴェル王子は消え入りそうな声でそう告げると、力なく肩を落とした。かなり憔悴した表情であった。
 まぁこうなるのも無理はないだろう。
 他の皆も戦い続ける気力はあるが、ホントは内心、こう思ってるに違いない。
 だが……今すべき事は、それではない。
「勘違いしてるようなので言いますが……倒す必要はありませんよ、アヴェル王子」
 アヴェル王子は眉根を寄せる。
「え? 倒す必要はない……どういう意味ですか、それは……」 
「俺達が一刻も早くしなければならないのは、アシュレイアの結界魔法を止める事なんです。そうすれば奴等は、俺が発動させたリュビストの結界によって、魔の世界へと帰るしかなくなります。ですが、今、リュビストの結界は奴の結界魔法によって少しづつ押されています。このままでは、リュビストの結界は完成しません。それどころか、またさっきの状況に逆戻りです。ですから、一刻も
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