Lv63 狭間の門( i )
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れ以上後退することはなかった。魔導の手様様である。
(とりあえず、なんとか凌いだが……奴がいる限り、アシュレイアには簡単に近づけそうにない。まずは奴を何とかしないと……。今のレヴァンに対抗するには、基礎能力の底上げしかない……)
というわけで、俺はまず、素早さを上げる呪文を唱えた。
【ピオリム!】
仲間全員に緑色の霧が纏わりつく。
続いて俺は、後方の2人に指示をした。
「アーシャさんとサナちゃんは、レイスさんとアヴェル王子にスカラをお願いしますッ!」
彼女達はコクリと頷き、指示通り動いてくれた。
【スカラ!】
前衛の2人に、守備力を上げる青い霧が纏わりついてゆく。
そして、アヴェル王子とレイスさんは、レヴァンへ攻撃を開始したのである。
スピードが更に強化された事もあり、2人の動きはかなり俊敏であった。
「デヤァ!」
「セアァァ!」
【グッ……】
レヴァンも流石に避けきれず、2人の斬撃を受けていた。
とはいえ、奴の素早さや守備力もかなり高い為、完全には入ってない。恐らく、そこまでのダメージは望めないだろう。
【チッ、オノレェェェェッ!】
レヴァンは左右の翼で弧を描くように、2人へと反撃した。
風圧を伴う攻撃の所為か、アヴェル王子とレイスさんは派手に吹っ飛ばされる。
「なッ……ウワァァッ」
「グアァァ」
そして、その直後、レヴァンは翼を更に大きく仰ぎ、俺達に向かって、またもや暴風を巻き起こしたのである。
【クハハハッ、下がれ下がれ、愚か者共よ! アシュレイア様の邪魔はさせぬわ!】
轟々と音を立て、風が吹き荒れる。
だが、今の奴が巻き起こす風は、台風のような風圧なので、飛ばされるような事はなかった。
とはいえ、まともに立っていられないほどの風ではあった為、俺達は後退を余儀なくされた。
アヴェル王子は悔しそうに呟く。
「クッ……これでは近づけない……」
と、そこで、戦列を離れた者達がカムバックしてきた。
ウォーレンさんが腕で風除けをしながら、険しい表情で俺に訊いてくる。
「どんな状況だ、コータロー」
「残念ですが、形勢はよくないです。アシュレイアが魔法を跳ね返す呪文を唱えてから、奴等の流れになってます」
「ま、魔法を跳ね返すだと……なんて厄介な……」
「という事は、武器による攻撃しか奴にはできないのね……」と、シェーラさん。
「ええ、そうなります」
アヴェル王子はそこで俺に視線を向けた。
「コータローさん……何か良い手はないですか?」
良い手は無い……というのが正直なところであった。
今の俺達が取れる方法は1つだけだ。が……それを行ったとして、効果があるのかどうかさえ怪しい。それに加えて、俺はさっきから感じる奇妙な違和感を拭えないでいた。そ
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