Lv63 狭間の門( i )
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んだ。
【シャールさん待ってッ! 魔法を使うのは不味いッ!】
だが、俺の静止は間に合わなかった。
俺が叫ぶと同時に、シャールさんの正面にメラミと思われる火球が1つと、ルカニと思われる紫色の霧が現れたからである。
それら2つの魔法は、俺が制止する間もなく、レヴァンへと放たれた。
そして、その直後、奴の正面が青白く輝き、魔法は俺達へと跳ね返されてしまったのである。
跳ね返されたメラミの火球は、アヴェル王子へと襲い掛かる。
続いて、俺の周囲には、跳ね返された紫色の霧が纏わりついてきた。
そう……つまり、俺とアヴェル王子が、シャールさんの魔法を受ける羽目になってしまったのだ。
メラミに焼かれ、アヴェル王子は苦悶の表情を浮かべた。
「グァァ!」
時を同じくして、俺は守備力の低下被害を被る事となった。
全くもって、残念な展開である。
この現象を前にして、シャールさんは顔を顰めていた。
「な、なんで、魔法が跳ね返されるのよッ!?」
俺は大きな声で忠告をした。
【シャールさん……いや、皆、聞いてくださいッ! レヴァンとアシュレイアに魔法は厳禁ですッ! 今、アシュレイアが使ったマホカンタという魔法は、全ての魔法を跳ね返してしまいます。こうなった以上、物理攻撃主体の戦い方に切り替えるしかないです】
皆は驚きの声を上げる。
「なんだって!?」
「魔法を跳ね返すですって!?」
続いて、なぜかレヴァンも。
【おお……なるほど。今のは、魔法を跳ね返す呪文なのですね。流石はアシュレイア様だ。これは心強い。しかし……】
レヴァンはそこで言葉を切り、俺に鋭い視線を向けた。
【それにしても、貴方は物知りですね……先程のアークデーモンやギガンテスの事といい、この魔法の事といい……一体何者なのですか? その調子だと、失われた古代の魔法の事も、かなり知ってそうですね。まさか、イシュマリアに、こんな奴がいるとは思いませんでしたよ】
動揺を悟られないように、とりあえず、ケイシー・ラ〇バック調で答えておいた。
「俺か? 俺はただの魔法使いさ」
【ただの……クククッ、喰えない奴だ。まぁ良いでしょう。何れにしろ、今の状況ですと、貴方が一番危険な気がします。ですから、まずは貴方を排除する事にしましょうか!】
レヴァンはそう告げるや否や、俺に向かって翼を大きく広げ、先程のように強烈な風を巻き起こした。
だが、この攻撃が来るのを予想していた俺は、その前に魔導の手を使い、天井にある出っ張り部分へ見えない手を伸ばしていた。
そして、それを命綱にして、奴の暴風を凌いだのである。
【チッ……小賢しい奴だ】
レヴァンは面白くなさそうに、眉間に皺を寄せた。
ちなみにだが、俺の身体は鯉のぼりのように浮き上がったが、そ
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