Lv63 狭間の門( i )
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に、レヴァンへ力強く剣を振るう。
「許さんぞッ! この裏切り者がァッ!」
「デヤァッ!」
レヴァンはニヤリと笑い、翼を広げて飛翔した。
その刹那、2人の剣は空を斬る。
そして、レヴァンは少し離れた位置に舞い降りたのである。
【クククッ、単純な奴等だ。今までの私と思うなよ、このマヌケがッ!】
「オノレ……」
「チッ、素早い……」
アヴェル王子とレイスさんは、悔しそうに下唇を噛んだ。
魔物に転生した事で、奴の能力は飛躍的に上がったのだろう。
(今の奴を考えると、魔法攻撃が最善の手か……じゃあ、コレを使って奴等の反応を見てみるとしよう……)
俺は光の杖を真上に掲げ、呪文を唱えた。
【ライデイン!】
雷球が発生し、雷の矢が、レヴァンと、玉座に腰掛けるアシュレイアに直撃する。
【グッ!】
レヴァンは苦悶の表情を浮かべ、顔を歪めた。が、しかし……アシュレイアは直撃したにもかかわらず、平然と呪文詠唱を続けていたのである。
恐らく、ライデイン程度の呪文では、焼け石に水状態なのだろう。
(予想はしてたが、やはり、アシュレイアにはこの程度の呪文では駄目か……何か、もっと強力な攻撃方法をとらないと、奴の結界魔法は止められそうにない……ン?)
と、その時であった。
アシュレイアは呪文詠唱を止め、自身の正面とレヴァンに向け、左右の竜の手を突き出したのである。
その直後、部屋の中心で渦巻く煙は、元の回転へと戻り始めた。
ちなみにだが、黒い翼の手はそのままで、人間の手は印を組んだままであった。
(竜の手だけを自分の正面とレヴァンに向けた……奴は一体何をするつもりだ?)
アシュレイアの口が動く。
【マホカンタ!】
呪文を唱えた次の瞬間、自身の正面とレヴァンの前に、青白く輝く半透明の丸い何かがフッと一瞬だけ現れ、消えていった。
それはまるで、ガラスの板が一瞬だけ現れたかのような現象であった。
(チッ……ここでマホカンタかよ……なんて厄介な……)
【レヴァンよ、奴等の魔法は気にせず、存分に戦うがよい】
【ハッ、アシュレイア様】
そして、アシュレイアは呪文詠唱を再開したのである。
この戦況変化に、俺は溜息を吐きたい気分であった。が、これのお陰で、少しわかったこともあった。
それは何かというと、奴が呪文詠唱を中断した途端、リュビストの力に押されたということだ。
これが意味するところは1つである。
(マホカンタは厄介だが……奴は今、気の抜けない状況と見て良さそうだ。とりあえず、この状況に合わせて、戦いを進めないと……って、アアッ!?)
そこで予想外の事が起きた。
なんと、シャールさんの全身が、オレンジ色に淡く発光したのである。
(こ、これは魔生の法! 不味いッ!)
俺は慌てて叫
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