Lv63 狭間の門( i )
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[T]
レヴァンは左右の翼を勢いよく羽ばたかせ、強烈な風を巻き起こした。
風は唸り声をあげて俺達に襲い掛かってくる。
と、その直後、前目の位置にいたシェーラさんとウォーレンさん、そしてルッシラさんが、その風によって、後方へと一気に吹っ飛ばされたのである。
「キャァァ!」
「ウワァァァ」
「何ィッ!」
3人は30mくらい後方の壁に激突し、床に落ちてきた。
一時的にに戦列を離れる形になったので、ある意味、DQYのトロルとかが使う『つきとばし』のような効果である。
他の者達はなんとか踏ん張っていた。
俺とシャールさんは、前衛が壁になる位置にいたので、今の攻撃からはなんとか逃れた格好である。
フィオナ王女とアーシャさん、それとサナちゃんは少し離れた位置にいた為、風の影響はそれほどないみたいであった。
(あの攻撃……結構厄介だな。気を付けなければ……)
レヴァンが愉快そうに口を開いた。
【クククッ……これはほんの挨拶代わりだ。次は面白い魔法を使ってやろう……イシュマリアでは誰も見た事のない魔法をな……喰らうがいい!】
レヴァンは胸の前で両手をクロスした。
【バギクロス!】
呪文を唱えた次の瞬間、奴は両腕を目一杯に広げたのである。
奴の前に、X状にクロスする強烈な2つの竜巻が発生する。
その2つの竜巻は、勢いよく、俺達へと襲い掛かってきた。
アヴェル王子にレイスさん、そして、俺とシャールさんは、成す術無く、竜巻の餌食となってしまった。
竜巻の中は強烈な風の刃が吹き荒れており、俺達を縦横無尽に切り刻んでゆく。
「グァァァ!」
「キャァァ」
「何よ、この呪文は……」
「グッ……これが、バギクロスか……」
そして2つ竜巻は、俺達を散々斬りつけた後、役目を終えたかのように消えていったのである。
直撃を受けた俺達は、肩で息をしながら、そこで片膝を付いた。
俺達4人はバギクロスによる深い切り傷が、至る箇所に出来ていた。
特に前衛の2人は酷く、顔や腕から真っ赤な血が滴っている。それが、今の攻撃の凄惨さを物語っていた。早く治療しないと不味い状態である。
レヴァンの嘲笑う声が響き渡る。
【ククククッ、どうだ、バギクロスの威力はッ! お前達の使う貧弱な魔法とは、一味違うだろう。クハハハッ】
俺は急いで、後ろの3人に指示をした。
「フィオナ王女にアーシャさん、それとサナちゃんは、皆の回復をお願いします!」
「は、はい」
「わかりましたわ」
3人はベホイミと祝福の杖で、前衛の回復を始めた。
(まさか、バギクロスを使ってくるとは……厄介な敵になったもんだ……)
続いて、レイスさんとアヴェル王子がレヴァンへ攻撃を開始した。
2人は一気に間合いを詰め、掛け声と共
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