ペルソナ3
2002話
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取りあえず、何をするにしても武治に連絡を取る必要があるのは間違いない。
幾月が何をしようとしていたのか、この寮から抜け出してどこに行ったのか。
その辺りのヒントは、美鶴達だけではどうしようも出来ない。
いや、幾月の部屋を調べれば、何らかのヒントが残っている可能性があるが、それでも確実にとは言えないのは間違いない。
万が一……本当に万が一にも、実は幾月がちょっと出掛けていただけで、帰ってくるような事になった時、実は幾月の部屋の中を漁っていたという事になれば、ちょっとどうしようもないし。
ともあれ、そんな訳で俺達は悶々として影時間が終わるのを待つ。
もっとも、イレギュラーシャドウを探したり、それを倒したりといった具合に、既に影時間になってからかなり経っており……影時間が終わるまで、そう時間は掛からなかった。
そうして影時間が終わり……
「美鶴、お前から武治に電話を掛けてくれ」
「分かった」
本来なら、こんな時間に電話を掛けるというのは非常識だろう。
特に相手は桐条グループの総帥という立場にいるのだから。
だが……武治は影時間については絶対に解決するという強迫観念に似た思いすらもっている。
そうである以上、影時間の研究で大きな力となっていた幾月が行方を眩ましたという事になれば、それを放っておく事は出来ない。
特に、内部監査をしていたという事もあって、よりその思いは強いだろう。
「もしもし、こんな時間にすいませんお父様。……はい、イレギュラーシャドウの件は問題なく倒す事が出来ました」
もし幾月が何も行動を起こしていなければ、美鶴が武治にイレギュラーシャドウの件を報告するのも喜びが強かっただろう。
今回のイレギュラーシャドウとの戦いでは、美鶴が最初にその居場所に駆けつけて戦ったのだから。
俺も協力したのは間違いないが、今日の一件で誰が一番活躍したのかと言えば、それは間違いなく美鶴だった筈なのだから。
「それで、イレギュラーシャドウを倒して寮に戻って来たのですが……その、理事長がいなくなっていて。……はい、はい。そうです。え? あ、はい、一緒にいます」
携帯で話しながら、美鶴が俺に視線を向けてくる。
これは、間違いなく俺がいるかと武治に聞かれていたのだろう。
実際、武治に幾月の事を説明したのも俺だし、何度か相談にものっていたのだから、電話の向こうで武治が俺がいるかどうかを聞いてもおかしくはない。
「はい、分かりました。少々お待ち下さい」
そう言い、美鶴が携帯を持って俺の方に近づいてくる。
「お父様が、アクセルに代わって欲しいらしい」
「分かった」
真剣な表情を浮かべている美鶴だったが、やはりその表情にはどこかショックを受けている様子が見
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