ペルソナ3
2002話
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に残していても、最悪殺されていた可能性すらあるだろう。
ペルソナ使いというのは、極めて強力な能力なのは間違いない。
だが、ペルソナを召喚する為には召喚器で自分の頭部を撃つという儀式――と呼ぶには少し大袈裟だが――を行う必要がある。
幾月に不意を突かれるような真似をすれば、それこそあっさりと殺されてしまう可能性が高い訳だ。
そう考えれば、俺が残るか……寧ろ誰も残さない方が良かったのは間違いない。
で、俺がこの場に残っていれば、イレギュラーシャドウを相手にした時に上手く戦えていたかというと、少し難しいところだし。
「幾月を見張っていた奴の消息が不明になっているという事は、やっぱり今回の件は幾月が行動に出たという事で間違ってはいないだろうな」
『……そうだな』
苦々しいといった様子で呟く武治。
そもそも論だが、証拠を集めるとか何とか行動するよりも前に幾月を捕らえておけば、それが最適の結果になっていたのは間違いない。
もっとも、幾月は影時間の研究者を纏めている立場でもあったらしい。
そうであれば、何の証拠もなく幾月を捕らえたりしていれば、色々と不味い事になっていたのは間違いない。
結局そうやって躊躇った結果が今の状況を生み出したのだが。
……うん?
そこまで考え、ふと疑問を抱く。
いや、これは疑問ではない。既視感か?
前にもどこかで同じような事を感じた事が……いや、そう。これは……
「武治、タカヤはどうしている?」
『何?』
「タカヤだ。前回のイレギュラーシャドウの時に俺が捕らえた奴。今は、桐条グループの方で事情を聞いていた筈だな?」
『ああ。……いや、待て。もしかして!?』
俺の言葉で武治も俺と同じ結論に達したのだろう。
まさか、という思いと共に呟くと、すぐに再び携帯から武治の声が遠くなる。
何かを指示している様子が窺えるが、それが何を指示しているのかは、それこそ考えるまでもない。
そうして数分……美鶴を始め、他の者達から視線を向けられている中で、ようやく携帯から武治の声が聞こえてくる。
『確認した。タカヤと名乗ったあの少年の姿が、軟禁していた場所から消えていたようだ。見張りも含め、全員が死んだか、重傷を負っているらしい』
「……やっぱりか」
もしかしてとは思っていたが、どうやら本当に俺の予想通りの流れになっていたらしい。
だが、なるほど。タカヤにちょっかいを出すのであれば、影時間の時が丁度いいのも間違いない。
いや、影時間中に何か異変があれば、それは自然な形で周囲に認識させるんだったか?
となると、もしかしたら影時間じゃなくて、その前後に……いや、影時間が始まった時は幾月の姿はここにあった。という事は、影時間が終わった直後に何か行動した
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