三話〜盤外戦あいVS銀子@始まり〜
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度無理をしているが、捌けなければ詰みが見える一手。
それに対しあいは…………
「こう、こう、こう、こう、こう!こう!」
体を揺らして、一生懸命に盤面だけを見つめる。
その後、彼女が打った一手を見る。
一見、破れかぶれの逆王手。
しかし、八一には見えていた。
そこから繋がる、細い勝利の道が。
「面白い!」
気づけば、真剣勝負の時にかける眼鏡を無意識にかけていた。
「あいちゃん!」
「はい!」
「君の(将棋の)魅力にやられた。今夜は満足するまで、指し会おう」
「ふぁぁ、は、はい」
俺のあいちゃんの将棋を絶賛する言葉に、何故か真っ赤になって答えるあい。
んー、なんか間違ったかな。
まあ良い。別にやることは変わらない。
その日、言葉通り、八一はあいと、真夜中まで、将棋を指し続けた。
次の日、昼。
「ふぁあ、良く寝た」
張っていた気が緩み、『鋼』と呼ばれる強い八一ではなく、普通の八一が顔を出す。
まあ、自宅で固くなってもしょうがない。
そう思い、とりあえず顔を洗うため、洗面所まで向かっていると…………
「良い匂いだな…………」
別に妄想の類いではなく、キッチンから良い匂いが漂っていた。
手早く洗顔などをすませ、キッチンへ。
手慣れた様子で料理をよそうあいに声をかけた
「ご飯作ってくれたんだ、ありがとう」
「あ、お早うございます師匠」
割烹服を着たあいが、料理を運びながら返事をする。
そこからは穏やかな食事タイムだ。
おっと、そうだ、忘れてた。
「昨日お湯張った湯船、さっき追い焚きしておいたから入ってきなよ」
昨日、二人とも夢中になって指していたため、結局風呂に二人とも入っていない。
自分も途中で気づけばよかったんだが、小さいながらも女の子にそれは酷だろう。
そう提案すると、何故か強硬に俺が先に入るよう進めてきた。
?俺も詳しくは知らないが、普通、女の子が前に入るものではないのかと思ったが、薦められたならしょうがない。
とりあえず、朝風呂と洒落混むことにした。
彼は気づかなかった。
彼の見えない所で、師匠の香りがするお風呂とか最高じゃないですか…………と呟く幼女を。
少し時間が飛ぶ。
風呂に入り終わった八一は、嬉々として後の風呂に入ったあいと入れ替わりに、リビングで髪を乾かしていた。
ドライヤーをつけながら、片手で昨日棋戦前に充電していたスマホをいじる。
ん?着信20件?
確認すると、いくつかは違う番号が挟まっているものの、ほとんどは姉弟子の銀子のもの。
内容を確認すると、1コールで繋がった。
「姉
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