艦娘とスイーツと提督と・26
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艦娘を鍛え上げる。それでいて自分のやりたいように楽しめればそれでよかった。何なら、一生ヒラでも良かったんだ、俺ぁ。それをあの隠居ジジィと来たら、
『自由に振る舞いたければ偉くなるんじゃな。偉くなれば、誰に気兼ねする事もなかろう?』
とか調子の良いこと言いやがって。気付いたら大将のイスに座らされてやがったぜ畜生が。まぁ、そんな生活の中でも他の奴じゃあこなせないだけの仕事をして来た自負はある。やれるモンならやってみろってな。
「俺は犬死になんて許さねぇ。勝手に沈みやがったら、俺が海の底から引き摺り上げてぶっ殺してやる」
「アハハ……何よそれ!」
「……だから、もう泣くな」
ずっと気になってたんだ。霞が過去の話を始めた辺りから下を向いたままだ。恐らく、過去のトラウマで涙が溢れてきてるんだろう。だが、強がりな霞が涙なんて見せたい訳もねぇ。顔を上げないんじゃなく、上げたくないんだろ。
「な、泣いてなんて!泣いてなんて……無いわよ」
必死にそう抗弁する霞の頭に手を乗せ、撫でてやる。
「へいへい、わかったわかった。んじゃその目から出てくる汗とっとと拭け」
「うっさいわね!解ってるわよ、もう!」
俺の差し出したハンカチで、乱暴に顔を拭う霞。痛くねぇか?そんなにゴシゴシやって。
「そ、その……悪かったわね!ちょっと昔の事が頭をよぎっただけよ。昔の司令部みたいに無謀な作戦を立てないアンタの事、ちょっとは、その……」
「あ?何だよ、ハッキリ言えよコラ」
瞬間、思いっきり霞に抱き着かれた。
「……信頼、してんだからね/////」
ボソッとだが、聞こえるようにハッキリと。涙目で赤面しながらも本心を伝えて来た霞がいじらしくて。
「……おぅ、任せとけ」
俺もその信頼に、笑顔で応えてやろうと決意を新たにした。
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