第五十話 水着回のくせに水着の話は何処行った?
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「それじゃー、ご飯とカレーの担当に分かれましょうか」
「はいはーい、私カレーやります」
担当分けを提案する固法さんに佐天さんがカレー担当を申し出る。その後、初春さんは佐天さんと一緒にカレーを担当することになって、御坂さんがご飯担当に立候補したら白井さんも一緒にご飯担当ということになった。
「カレーなんて庶民の食べ物は……」
「えーっ、カレーおいしいじゃないですかー」
そこはかとなくカレーの事を馬鹿にする婚后さんに佐天さんが反論する。
「カレー嫌いなんですか?」
初春さんが問いかけるが、婚后さんは別にカレーが嫌いなわけでは無いようである。まあ、本格的にお嬢様らしいので料理が出来ないぐらいは当然なのだろう。
「そんなこと言って、本当は作れないんじゃありませんの?」
「なっ、何をおっしゃいますの! 勿論作れますわ。ただ、婚后家に代々伝わる究極のカレーの作り方しか存じ上げませんけど」
白井さんに図星を指されて慌てふためく婚后さんだったが、どうしても見栄を張りたいのか色々と出来もしないことを言ってしまっている。
「へぇー、どんなカレーなの?」
「うっ!」
案の定、食いついてきた御坂さんに狼狽える婚后さん。
「何か凄そう! 食べてみたいです」
「是非作って下さい」
佐天さんと初春さんも話に乗っかってきて、だんだん婚后さんが引くに引けない状況へと追い込まれていく。
「いえ、折角ですから庶民のカレーでも頂いてみようかと……」
何とか回避しようとする婚后さんだったが、簡単に回避できるはずも無かった。
「それなら両方作っちゃえば良いじゃない。材料はあるんだし」
「え?」
遂に固法さんの言葉で逃げ道を断たれる。固法さんもこの中では最年長に当たるので、いくら大金持ちのお嬢様と言えども無碍には出来ないのだろう。
「それいいですねー」
「賛成ー、良いですよね?」
初春さんと佐天さんが更に追い打ちを掛ける。まあ、本人達にはそんな自覚なんて一切無いんだろうけど……。
「ま……まあ、どうしてもとおっしゃるなら……」
『やったー!』
言い訳が出来なくなってしまった婚后さんは、結局了承せざるを得なくなってしまい、初春さんや佐天さんは喜んでいる。
「うーん、婚后さん」
「な……何かしら?」
一応助け船を出すために俺が声を掛けると、婚后さんは少し引きつった表情で応えてくれた。まあ、初春さんや佐天さんの友達と言うことで、多少警戒されているのかも知れない。
「ここって調味料関係そんなに無いんだけど、これだけで作れる物なの? 婚后家の究極とか言うぐらいだから、こんな市販のルーで作れるとは思えないん
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