第五十話 水着回のくせに水着の話は何処行った?
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みると既に切ってあるニンジンやタマネギなどもかなり細かく刻んであるのが分かる。まあ、カレーに入れるタマネギは元々細かく刻む物だとは思うが……。
「下処理終わったよー」
「はーい、その辺に置いといて下さい」
初春さんに声を掛けてから、初春さんからも取りやすい位置にバットを置く。
「了解。それで、イカスミはどうする?」
「えっ……イカスミもあるんですか?」
一応小皿を持ってきて、バットの中からイカスミだけを小皿に移し替えながら初春さんに尋ねると、少し驚いたように聞き返された。ちゃんとイカも皮をむいて中骨を抜きくちばしや吸盤を取って胴と足を別々に処理してあるのだが、内臓を外した時にイカスミを潰すことも無く取り出せたので一応持ってきたのである。さすがに俺もイカを捌いたことは無かったので、イカスミが取れるかどうかは微妙だったのだが、潰れてもいいやというつもりでやってみたら何故か上手く取れてしまったというわけだ。
「うん、ちゃんと取れたよ。まー、水着に付かないように気をつけないと、付いたら大変なことになっちゃうからね」
「大変な事って……どうなるんですの?」
まあ、料理する時にはあまりないだろうが、イカ釣りをする時にはスミを吐かれて大変なことになることが多々あるので、一応注意しておくと今度は婚后さんが聞いてきた。
「まあ、簡単に言えば色が取れない。学園都市の技術なら取ることも出来るかも知れないけど、普通に洗濯したぐらいじゃ絶対に取れないからね」
「あら、それは確かに大変なことになりますわね。ですが、体に付いたらどうなるんですの?」
もしかしたら、吐いた時のイカスミと袋から直接取り出した時のイカスミでは服に付いた時の落ちにくさが違うのかも知れないが、俺の知識の中にある吐かれたイカスミの話をすると、婚后さんは更に別のことを聞いてきた。
「あー、それなら普通に落ちるはずだよ。絶対に取れないとしても、皮膚はターンオーバーがあるから間違いなく落ちるし……あ、そうだ!」
「どうしたんですの?」
説明している最中にふと思い出して声を上げると、婚后さんは怪訝な表情で聞いてきた。
「そう言えば婚后さん、前に眉毛描かれた時って消せるまでどのくらい掛かったの?」
「なぁっ!! な、ななっ……何を言っているのか分かりかねますわっ!」
俺が常盤台の眉毛事件のことを尋ねると、婚后さんは面白いぐらいに狼狽えていた。
「まあ、どんなに最悪な状況でもそのぐらいの期間では落ちるよ」
「あっ、ああっ……あなっあな……貴女! どっどどどどうど……どうしてそれを知ってるんですの!?」
俺は笑いをこらえながら先程のイカスミの答えを説明すると、かなり呂律が回らない状態で婚后さん
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