第五十話 水着回のくせに水着の話は何処行った?
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あるんだろうけど、挽肉の代わりに海鮮を入れるだけでもそこそこの物は出来ると思うよ。それに、もし挽肉に牛肉が使われてたら折角二種類作っても佐天さんのカレーと味的に大差ないものになっちゃうかも知れないし」
初春さんは少し不安そうだが普通に料理を作っているのなら多分大丈夫だろう。初春さんのカレーの味付けが海鮮には合わない可能性も無くは無いが、煮込む段階でちゃんと味が決まっていればカレールーを溶いた時にもおかしな事にはならないはずである。
「そうですねぇ。それなら海鮮カレーにしちゃいますか」
「それじゃー、海鮮の処理の方は任せて貰っても良いかな。これでもじっちゃんは漁師だったからね……まー、お父さんが中学生の頃に漁に出たまま行方不明らしいけど……」
初春さんも海鮮カレーに乗り気になった所で魚介類の処理を俺が引き受ける。一応、祖父の話は元の世界での事実である。
「それは心強いですねー……って、それは神代さん生まれる前じゃ無いですか!」
「まーね。でも漁師にはならなかったけどお父さんも魚を捌いたり貝の身を取り出したりしてたから、その辺は大丈夫だよ」
初春さんのツッコミを受けてそれでも問題ない旨を伝える。祖父が船で出たまま行方不明と言うことで、船が無くなったために父は漁師を継いでいない。ただ、行方不明になる前はちゃんと漁師関係の技術をかなり仕込まれていたらしく、魚を捌いたり貝の身を取り出したりなんてことは簡単にやっていた。俺も一応お盆休みやお正月休みに田舎へ帰った時にやらせて貰ったりはしたので、普通の人よりも知っている方だとは思っている。
「そうなんですね。それならお願いします」
「持ってきましたわ、こちらでよろしいんですの?」
「うん、ありがとう」
初春さんから頼まれた所で婚后さんが鍋やお玉を持ってきた。なお、包丁は既に準備済みで、まな板は食材を持ってくるためにお盆代わりとして使っているので、料理器具も一通りは揃ったと思う。もし、足りない物があればそれはその時に準備すれば良いだろう。
「じゃー、俺は魚介類の下処理するから」
「はーい、いってらっしゃーい」
「よろしくお願いしますわ」
俺はバットに載せた魚介類とナイフを持って流し場へ向かう。水道自体は調理場にもあるのだが、野菜類を洗うぐらいならともかく魚介類を洗うには流し場の方が効率が良いのだ。
「ジャガイモはこのぐらいの大きさに切って下さい」
「随分細かく切るんですのね」
「普通こんなもんですよ」
「そ……そうなんですの」
俺が魚介類の下処理を終わらせて戻ってみると、初春さんが婚后さんに指示を出していた。婚后さんが言うように俺から見てもかなり小さく切るようで、よく見て
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