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孤独と絶望と闇
『夜明けの孤独』
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“死にたい”
いつからか、それが口癖になっていた。
自分の存在意義が見出せない。
やりたいことも見つからない。
今日も親と喧嘩して、『お前なんかいらない』と言われた。
そう言われるたびにふと考える。
『なんで私なんか産んだの』
と。
兄と弟に挟まれた、三人兄弟の私。
兄や弟と楽しそうに話す両親を見て、いつも思う。
『私なんかいらないじゃん』
と。
親と話す内容はいつも同じ。
「ちゃんと勉強しろ」
「女の子なんだから家の手伝いくらいしろ」
「家の中に不穏な空気を流すな」
「お前なんかいらない」
何をしても文句を言われ、理想像を押し付けられる。
褒められることも感謝されることもない。
追いかけ続けた夢も切り捨てられ、破り捨てられ、私にはもう何もない。
学校で嫌がらせを受けても信じてくれない。
相談も真剣に聞いてくれない。
味方なんて誰もいなかった。
1人で戦ってきた。

気づいたら私は、自分で自分を“悪魔”と呼ぶようになっていた。
嘘をつく、性格悪い、綺麗事が嫌い、不幸を呼び寄せる、他人を泣かせることしかできない。
私が幸せになることは許されない。
私が笑えば世界のどこかで誰かが泣く。
私のせいできょうも誰かの幸せが壊される。
小さい頃、クラスメイトに言われた。
『お前が死んだら何人の人が喜ぶと思う?』
10年以上たった今も、脳裏に焼き付いて離れないあの言葉。


ずっと考えてた。
私が死んだら悲しむ人はいるのかな。
世界はどう変わるんだろう。
皆、私をすぐに忘れるのかな。
喜ぶかな
やっと悪魔がいなくなった、って。
夢の中で
何度も何度も何度も何度も自分を殺した
ある時は首を吊った。
またある時は包丁で心臓を貫いた。
大通りに飛び出してトラックに轢かれたり、
一酸化炭素中毒になって死んだり、
学校の屋上から飛び降りたり、
強い薬を致死量に至るほど飲んで死んだり、
いろんな方法で自分を殺した。
その度に見えるのは、みんなの安堵した顔。
泣いて喜んだ人もいた。
私が死んだ後の世界は笑顔で溢れてた


私はおとぎ話に出てくるような悪魔。
いつだって悪役で誰かを助けるなんて出来ない。
私ができるのは
誰にも気付かれずに息を殺すだけ
泣くことも笑うことも何も許されない
孤独な世界で
1人で
何もない道を
誰もいない世界を生きて行くだけ。

私の周りにあるのは
孤独と
悲しみと
不幸だけ。

悪魔は
幸せになんかなっちゃいけない。

私の夜明けには
孤独しかない。







『夜明けの孤独』 欅坂46 平手友梨奈
夜明けに家を出て
過去なんか捨てたけど
自分のその足音が追いかけてくるんだ
だれ
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