番外編〜『最強』の孤独〜
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?と、長門さんはオレを見てきた。
…………………………手加減もするだろ。
暁型の奴等に、あの長門が軽巡洋艦なんかにボロ負けするなんて、見せられるわけねぇだろ?
オレと長門さんには、それぐらいの差がある。
長門さんが弱いと言うわけではない。むしろ、撃沈数ではオレの次だ。
でも、そこには大きな差がある。
見せられるわけ無いだろうが。
でも、そんなこと言えるはずもなく。
「…………レ級ン時の傷が残っててな。本調子じゃねぇんだ。」
オレはそう言うと、風呂から出た。さっきの傷は、すでに直っていた。
「………………お前が何を悩んでるか知らないが――。」
長門さんはオレの去り際の背中に向かって声を投げ掛けてきた。
「悩みなら、幾らでも聞くぞ?」
ありがたい話だが、あんたにゃ話せないね。
失礼な話かもしれないが、オレより『弱い』奴に、『もっと強かくなれるのか』なんて聞いたところで、正しい答えなんて出てこない。
大抵は、自分の経験したことしか他人には教えれない。
『最強』がどれだけ強くなれるかなんて、誰にも分からない。
相談したとしても、それはただの嫌味だ。
誰にも相談できない悩みを抱えているのに、自力で解決策を見つけ出せない。
全く――。
「あぁ、そうさせて貰うさ。」
『最強』というのは、皮肉なもんだ。
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