番外編〜『最強』の孤独〜
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オレの左腕を潰すのと、オレが長門さんに発勁を放ったのはほぼ同時だった。
「があぁっ!」
「ぐうっ!」
オレは痛みを殺したながら、長門さんは血を吐きながら声を出した。
この発勁は、とある人から教えてもらったオレの必殺技だ。
威力は折り紙つき、戦艦ル級を沈めれる位だ。
お互いに生身で良かった。艤装着けてたら文句なしで死んでる。でも、臓物の幾つかは潰れたはずだ。
長門さんは、オレの左腕を握ったまま後ろへ吹き飛んだ。
この隙は逃さない。オレは長門さんの腹に膝を当てる。
臓物に追い打ちをかけよう。叩くなら折れるまでって、どこぞの漫画の大王様も言ってたし。
すると、長門さんはニヤリと笑った。
「お前だけじゃないぞ?」
着地寸前、長門さんはオレの腹に右の手のひらを当ててきた。
躱そうとしたが、時すでに遅し。
オレと長門さんは長門さんを下にして地面に落ちた。オレの膝は長門さんの腹に容赦なくのし掛かった。何かを潰した感触が伝わってきた。
なかなか気持ちのよくない感覚だが、それをじっくり味わってる暇は無かった。
視界が揺れた。
腹の一部分…………長門さんの手のひらが当てられてる部分だけに、とんでもない衝撃が走った。トラックにでも轢かれたかのような衝撃だった。さっきの長門さんのように吹き飛ばされるオレ。
ただ、どうやらまだ覚えたてのようだ。相手にバレるようじゃまだまだだ。
それでも、やはり戦艦。胃と小腸を持ってかれた―だけで済めば良かった。
当然、長門さんはオレの左腕を掴んだままだ。だからオレは一緒に飛んだんだ。
だが、長門さんは寝転んだ状態だから、飛ぶことなんてできない。しかし、オレは後ろに飛んでいる。
…………恐らく、長門さんはこの左腕を引っ張ってくるだろう。そしたら、良くて左肩脱臼。悪けりゃ千切れかねない。
それを防ぐには…………。
「っ!」
オレは歯を食い縛ると、潰れた左手で長門さんの腕を掴んだ。そして、長門さんが引っ張ると同時にオレも長門さんの腕を引っ張る。
ゴキッ!
左肩から嫌な音がしたが、この際気にしない。
その勢いのままオレは長門さんの両目に向かってピースサインを作ると、そのまま落下していった。
「…………フッ。」
すると、長門さんもオレと同じようにピースサインを作った。
『目を削げるなら、それが一番手っ取り早く相手を無力化することができる。』
こう言ったのは、提督だったかな?
そんなことを思いながら、長門さんの目に
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