番外編〜『最強』の孤独〜
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う?そう言えば、木曾と真剣に戦ったことは無かったな。いい機会だ。やろうじゃないか。お前たち、外に出ておけ。巻き込みたくは無いからな。」
長門さんはそう言うと、ニヤリと笑った。
…………ちくしょう。さっきから頭ン中と行動が一致してねぇ。
オレは、これをしたいってのかよ…………仕方ねぇとは言いたくねぇけど、やるしかねぇ…………か。
それに…………どうやらオレも笑っているようだ。
どうしようもねぇ奴だ。
「さてと…………無意味かも知れないが、一応ルール確認だ。戦場はこのトレーニング室の中のみ。相手を殺したら負け。それ以外は自由…………いいな?」
「いいぜ。」
オレはそこに落ちてた空のペットボトルを拾い上げる。
「落ちた瞬間に開戦だ。それまでは動かないこと。いいな?」
「あぁ。」
オレは長門さんからの返事を聞くと、ペットボトルを上に投げた。
その瞬間、オレと長門さんは同時に動き出した。お互いに真っ直ぐに。
「なっ!?」
誰かの驚く声が聞こえたが、どこに驚く要素がある?
今のはルールでも何でもないし、破っても負けじゃねぇぞ?
オレと長門さんはお互いに拳が届くというところまで近づくと―挨拶がありと言わんばかりに右のハイキックを相手の顔面に向けて放った。
当然、このままだとお互いの右足は空中で激突する。単純なパワーに負けるオレは、その蹴りのパワーに吹き飛ばされるだろう。
そんなこと、折り込み済みだ。
オレは繰り出した蹴りの軌道を途中で曲げ、ミドルキックへと変化される。
ゴッ!ドンッ!
二つの激突するような音が響いた。長門さんの蹴りはオレの左腕に。オレの蹴りは長門さんの左腕にそれぞれガードされていた。しかし、流石は戦艦。ガードした手が痛てぇ。
オレはすかさず、自分が放てる最速のジャブを長門さんに当てる。
最速な分威力は弱めだが、これを躱せる奴は居ない。ここからコンビで右ストレートと左ハイキックを…………。
「くっ、甘い!」
長門さんはそう言いながら、オレの左腕を捕まえてきた。やべ、これが狙いか!
さっきも言った通り、長門さんのパワーは凄い。
それこそ、握るだけで腕の骨を潰せる位に。
…………しゃーねぇー。
腕一本くれてやる。
長門さんは案の定、オレの左腕を容赦なく握り締めてきた。骨の軋む音が聞こえてくるようだ。
「くっ!」
オレは痛みに顔を歪ませながら、長門さんの腹に手のひらを当てる。
グシャ!ズンッ!
長門さんが
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