第四十六話 忍の者その十二
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「女好きの奴はな」
「いるか」
「飲む打つ買うの奴もな」
「俺達は打つはな」
「一人いるな、御前のところは」
「ああ、けれどな」
それでもとだ、久志は英雄に返した。
「そいつも遊びでするんじゃないからな」
「儲ける方法としてか」
「やってるからな」
「博打で儲けられるか」
「そいつはそうなんだよ」
「だからまた違うか」
「そいつが言うにはギャンブルってのはな」
これはというと。
「儲け方の一つで仕事なんだよ」
「遊びではなくか」
「それだっていうからな」
「ではイカサマもか」
「それもあるしとにかく見極めてな」
「勝てるギャンブルかどうか、か」
「そうして確実に儲けるものだっていうんだよ」
仕事としてのギャンブル、それはというのだ。
「だからまた違うみたいだな」
「そうか」
「ああ、それでな」
「そいつは負けるギャンブルはしないか」
「絶対にな、ルーレットでもカードでもな」
「どう勝てるか、か」
「調べて研究し尽くしてするものらしいんだよ」
確実に勝ち儲ける為にだ。
「だから遊びじゃないって言うんだよ」
「そこまで真剣か」
「こっちの世界の麻雀だってな」
このギャンブルもというのだ。
「相手の卓や好みも見極めて計算してな」
「やっていくものか」
「そう言ってるぜ、賽子だってな」
「一見すると確率だな」
丁半賭博、日本に古来からあるものだ、江戸時代はよく寺や神社の中でこれを行う賭場を開いていた。
「しかしそれもか」
「イカサマがあるだろ」
「それを把握してか」
「相手がしてるかどうかな」
「見極めてか」
「それでするものらしいんだよ」
「具体的にどんなイカサマをしているかもか」
「そうしたのもな」
具体的に言うと賽子の中に鉛を入れる、軒下に人を入れておいてそこから動かさせる等のものがある。
「わかってな」
「賭けてか」
「儲けるものだっていうんだよ」
「まさにプロだな」
「プロのギャンブラーだよな」
「そう思った」
実際にとだ、英雄も答えた。
「聞いていてな」
「やっぱりそうだよな、まあ打つのはな」
「遊びではない、だな」
「そいつが言うにはな、それで飲むはともかくとして」
「買うはか」
「俺は元々そっちはな」
女、それはというのだ。
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