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レーヴァティン
第四十六話 忍の者その九

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「見掛けた幼女に手を出して終われば一家ごとな」
「シベリアか」
「そこに送って終わらせてた」
「屑と呼ぶにも値しない屑だな」
「それがしはそんな奴やないからな」
 そこは力説する耕平だった。
「ほんまにな」
「そうか」
「ああ、それにおなごはかみさんだけや」
「主人にはいつも大事にしてもらってます」
 その妻も子供の声で言う。
「起きてから寝るまで」
「そや、おなごは一人でええ」
 こうまで言う耕平だった。
「こっちの世界ではな」
「本気で愛し合っているでござるな」
「そや、こんな別嬪さんおらんからな」
「そしてその奥方にでござるな」
「今暫しの別れや」
 それを告げてと智に話した。
「そのうえでや」
「今からでござるな」
「自分等と旅に出るな」
「ではでござる」
「ずっと待ってるで」
 耕平の妻はまた夫に笑顔で言った。
「帰って来るまでな」
「ああ、時々帰ってこられたら帰るからな」
「その時はまたな」
「美味いもんも作ってくれ」
「そうするで」
 笑顔で一時の別れの挨拶をしてだった、耕平は英雄達との戦いの旅に入った。こうして英雄は六人目の仲間も加えたのだった。
 ここまで話してだ、英雄は久志に問うた。
「どうだ」
「そっちも色々あったんだな」
「そうだ、話した通りな」
「成程な、こっちと一緒だな」
「巨人はこちらの方がよく出ている感じだな」
「ああ、そうだな」
 久志はこのことにすぐに頷いて応えた。
「話を聞いてるとな」
「多少だがこちらの方が多い」
「何なんだあいつ等」
 久志はその巨人達について首を傾げさせてこう言った。
「いつも急に出て来てな」
「急に暴れ回ってな」
「すげえ迷惑なんだけれどな」
「おそらく海の魔神と関係がある」
「そうだよな、やっぱり」
「そこは察しがつくが」
 しかしとだ、英雄は久志にさらに話した。
「確かな証拠はないし具体的にな」
「どういった関係があるかはな」
「それはわからないからな」
「はっきりとは言えないな」
「どうもな」
「その謎はこれから解くしかないか」
「そうなるな、そしてそちらの旅はどうなった」
 英雄は久志の旅のことを問うた、自分の話の後で。
「一体」
「ああ、九人目まで入ったぜ」
「そうか、ではその話をしてもらう」
「それじゃな、しかしここはな」
 久志は今二人がいる周りを見た、そうしてこう英雄に言った。今二人がいるのはキャンバスの中庭のベンチである。
「寒いからな」
「だからだな」
「どっか建物の中に入ろうぜ」
 暖かい場所に行こうというのだ。
「そうして話をしような」
「そうだな、それがいい」
 英雄も久志の提案に同意して頷いた。
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