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天使のような子に恋をした
天使のような子の幼馴染と出会った
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か!」

 ごめんなさい呼び捨ては無理です。俺の精神が持ちません。
 それにしても、いざ本人の前で実際に呼ぶとなるとかなり緊張する。

 そしてちゃん付けではなく、さん付けな理由。ファンならともかく友達として接するならちゃん付けはやめた方がいいと思う。そういうの気にする人っているだろうから。事実、園田さんだって困惑してた。

 小学校以来の名前呼び。慣れないものだけど、段々と慣れていくしかない。

 ──ふと、視線を感じたので、南さんを見ると何だか不満そうな顔をしていた。
 もしかして……俺と穂乃果さんが話していたことに対して嫉妬? いやいや、そんな訳ないか。自惚れるのも大概にしないと。

 だけど、そうじゃないなら一体どうして? 南さんが提案したはずなのに……
 南さんと目が合う。だけど慌てるようにすぐに俺から目を逸らす彼女。俺も気恥ずかしくて視線をずらしてしまった。

「ことりちゃん? どうかしたの?」

「えっ、あっ、な、何でもないよ!」

「本当に大丈夫ですか? 慌てているようですけど」

「う、うん、大丈夫! 気にしなくていいよ!」

 と言いつつ、やはり酷く慌てている様子の南さん。どうしてそこまで慌てているのか気になるけど、質問するのは流石に野暮か。これは心の内にしまっておこうと思う。

 自己紹介を終えて、一段落。次は何を話そうかと考えていた時、意外にも園田さんが口を開く。

「自己紹介を終えたところで。遅れましたがお礼を言います。今回はことりを助けて下さって本当にありがとうございました」

「穂乃果からもお礼を言うよ。2人ともありがとう!」

「お、おう……」

 深々と頭を下げる園田さんと、微笑む穂乃果さん。
 まさか2人がお礼を言ってくるなんて思ってもみなかった。翔真も驚いているようだった。

 まるで自分のことのように思い、心配する。これって並大抵の関係じゃ出来ないだろうし、心配したとしても自分のことのようには扱わないはず。
 このことから、この3人の間には切っても切れない絆があるのだと確信した。

「私からももう一度。神崎くん、前原くん、本当にありがとうございました」

「そのことならもういいよ。俺達も好意を持って助けたんだから」

「そうそう。ことりちゃんは何も気にしなくて大丈夫!」

「2人とも……。ふふ、ありがとう」

 慈愛に満ちたように優しく微笑む南さん。

 ──まただ。また胸がドクンと跳ねた。園田さんを見ても、穂乃果さんの微笑みを見ても起こらなかった胸の高鳴り。
 それが南さん限定で起こるということ。それが意味するものはあまり多くはない。

 そっか、やっぱり俺は──

 南さんのことが好きなんだ。
 南さんに恋
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