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天使のような子に恋をした
天使のような子の幼馴染と出会った
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「俺も急がきゃな」

 翔真にも申し訳ないと思いつつ、このことを話せば許してもらえるだろうなんて考えながら、いつもの待ち合わせ場所へ向かった。



 ◆



 こんなことがあった訳だけど、何というか俺も押しに弱いな。
 あれからよく考えてみたけど、やっぱり何の関係もない俺らが人気スクールアイドルと会うのは御法度じゃないか?

 うーん……押しに負けず断れば良かった。でも南さんの悲しむ顔も見たくないから複雑。
 あ、ちなみに翔真についてだけど、俺の思惑通りこの件を話したらチャラにしてもらえた。うん、チョロい。

「ことりちゃん、遅いな。本当に5時なんだろうな?」

「その筈だけど……。多分練習が長引いたりしてるんじゃないか?」

「あー、それなら仕方ないな」

 時刻は午後5時15分に差し掛かろうとしていた。確かに待ち合わせの時間は過ぎているけど、俺達は全然気にしない。南さん達にも事情があるんだろうから仕方が無い。

 ──と、その時だった。カランカランと喫茶店の入り口のドアが開かれ、そこに3人組の女子が入ってきたのは。
 3人の内の2人はグッズや画面内でしか見た事がない子。残る1人は昨日俺が助けた子。この提案を持ち掛けた張本人──即ち、南さんだった。

「おっ、来た来た! こっちこっち!」

 翔真が席を立ち、南さん達に向かって手招きをする。それに気付いた南さんは残る2人を連れてこちらへ向かってくる。

「こんにちは、前原くん。神崎くんは今朝ぶりだね」

「ん、そうだね」

「こんにちは! いやー、またことりちゃんと会えるなんてな! それに今日は穂乃果ちゃんと海未ちゃんとも……」

「アホ、落ち着け。自己紹介もしてないんだぞ」

 早速暴走気味になっている翔真を手刀で制す。全く……俺がいなかったらどうなっていることやら。暴走して3人をドン引きさせる未来が見える。

「とりあえず座ったらどう? 立って話すのも難だし……」

「あっ、そうだね。それじゃあ、失礼するね」

「お構いなくー!」

 今までずっと空席だった所に3人が着席する。大きめの席を選んだ為、3人が座っても余裕だった。詰めればもう2人くらいは座れるだろう。

 かくして南さんとその幼馴染と対面した俺達。

 何だか、合コンの会場みたいだ。経験したことないからこれは予想なんだけど。

「ええと、ことりを助けたというのはこの方達ですか?」

「そうだよ海未ちゃん。2人には本当に感謝してるの」

 最初に口を開いた海未ちゃんと呼ばれた女の子に目を向ける。腰まで届くほどの青みがかった美しい髪。とても同い年とは思えないほどの凛とした佇まい。
 品行方正で容姿端麗。大和撫子というのは
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