天使のような子の幼馴染と出会った
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「ちょ、ちょっと待って! 確かに俺は放課後空いてるけど、μ'sの皆さんはどうかな? ほ、ほら、練習だってあるだろうし!」
「あ、それなら大丈夫だよ。今日の練習は早めに終わるみたいだし、終わったらすぐ帰るだけだと思うから」
何というタイミングの良さ……俺にとっては悪い事この上ないけど。とはいえ、俺もここで食い下がる訳にはいかない。
「そ、そっかぁ。でもさ、μ'sって確か9人だったでしょ? 俺達も含めれば11人。そんな大人数で集まれる場所ってあるかな? 店とかで待ち合わせするなら無理があるよね?」
「うーん……それなら公園とか?」
「いやぁ、公園はちょっと──」
そんな感じでやり取りをしていると、急に南さんが大人しくなった。もしかして、諦めてくれたのかも。
だが──俺の予想は外れることとなる。
「もしかして……迷惑、かな?」
「……えっ?」
「迷惑なら無理しなくていいよ? これは私の我儘だもん。神崎くんに無理をさせる訳にはいかないから」
「あっ、いや、別に迷惑って訳じゃ──」
先程とは打って変わって悲しそうに話す南さん。心なしか、声も震えているような気がする。
半端ではない罪悪感が俺を襲う。それと同時に、こんな時でも南さんを可愛いと思ってしまう俺がいる。不謹慎極まりないことは分かっているけど。
「ごめんね神崎くん。急にこんなこと言われても迷惑なだけだよね。今のことは忘れて欲しいな」
「あ──ちょ、ちょっと待って!」
心底悲しそうにしている南さんはこれ以上見たくない。出来ることなら、南さんには笑っていて欲しい。
そんな想いから、俺はある提案をすることにした。
「確かに9人は厳しいけど、少人数なら全然大丈夫だよ。ほら、南さんって2人の幼馴染がいたとか言ってたでしょ? まずはその子達だけに紹介すればいいんじゃないかな?」
「あっ──それ、いいね!」
これが今の俺に出来る最大の妥協案だった。俺も困ることはなく、南さんも困ることはない。これなら完璧だろう。
とはいえ、まだ少し困惑しているんだけど……
「決まりでいいかな?」
「うん! ありがとう神崎くん! 無理を聞いてもらっちゃってごめんね?」
「大丈夫。南さんには笑顔でいて欲しいから」
「……えっ?」
──やらかした。自分の思いを伝えようとしたのに勢い余ってつい口を滑らせてしまった。しかもかなりクサイことだ。
困惑する南さん。だけど顔が赤くなっているような……そんな気がした。
とにかく、一刻も早く弁解しないと。
「あっ、いや別に深い意味はなくてですね! と、友達の悲しんでる顔は見たくないからさ! 南さんだってそうでしょ?」
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