ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
14話 単独行動其の一〜ツカサ編〜
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係で、結果的に分配はリアに上がる。
「こればっかりはしょうがないな、少しずつ減らしていくしか…!」
今度は避けずに、顎を跳ね上げ、胸のあたりに再びソードスキルと発動させながら、ツカサはつぶやいた。
内心、いきなり単独行動をしようなどといったリアを少々恨みながら…
少しずつ同じことを繰り返し、きっかり2時間かけて、7本のHPを削ることに成功し、ツカサは自分で自分をほめてやりたい気分になる。槍のソードスキルの硬直時間は比較的長く設定されているため、大技を繰り出せず、3連撃を何回も繰り返す形でよくやったと思う。
さて、HPバーが8本目に食い込もうとしている時だった。不意にティバインウルフの雰囲気が何となく変わったような気がして、ツカサは眉をひそめた。あの壁に書かれていた“奥の手”のようなものが来るのか。
しかし、突進の動きも何一つ変わっていない。ツカサは一瞬迷うが、同じように顎を跳ね上げる。が、その瞬間、ツカサの背中に、ゾワリと虫が這ったような、気味の悪い感覚が走る。久々に感じる感覚は、一つの記憶を思い出させた。
砂漠に埋められた地雷を踏んだ瞬間を。カチリと、砂の中で小さな音がした、あの瞬間を。
「っっ!!」
後ろに飛び退るが、すでに遅い。その体が起こす爆風をまともに受け、ツカサの身体はまるで人形のようにあっけなく吹き飛ばされ、壁にたたきつけられる。肺の空気が持っていかれる感覚まで非常にリアルで、ツカサはヴェンデッタを支えにして立ち上がりながら思わず苦笑した。HPバーを見やると、驚くべきことに、一気に3割持っていかれている。
ティバインウルフの身体を先ほどの爆風が包み込んでいる形となっており、とてもじゃないが近づけない状態になっている。
「爆風はおよそ半径2m半ぐらいか。リーチがちょっと足りないな…」
リカント・ヴェンデッタの全長は2m60p。このままでは少々足りない。かといって、あの爆風を再び喰らう余裕はない。リアが調合した高い効果をもつポーションを煽り、空になった瓶を放り捨てながら、ツカサは息を吐いた。
あまり使いたくはないのだが、この際しょうがないだろう。
メニューウィンドウを呼び出し、スキルスロットに“それ”をセットする。
そして、愛槍を持った腕を伸ばし、小さいが、覇気のこもった声で
「“伸びろ”」
すると、驚いたことにリカント・ヴェンデッタの全長が見る見るうちに伸び、長さはゆうに4m近くあるだろう。
「第2ラウンドの開始と行くか」
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