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ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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2章 生き様
14話 単独行動其の一〜ツカサ編〜
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らされるが、ティバインウルフも、そしてツカサも槍を構えたまま動かない。



 どこからか柔らかい風が吹き、ティバインウルフの体毛と、ツカサの髪を揺らした時、金色と漆黒の瞳が交錯し、次の瞬間、ティバインウルフの身体が掻き消えた。


「っ!」

 
 ギリギリのところでツカサが脇へ飛び退ると、遅れてゾンッ!という空気を切る音が部屋に響き渡る。すでにティバインウルフはツカサの背後だ。


 ゆっくりとティバインウルフがこちらに向き直るのを見ながら、ツカサは目にかかった前髪を掻き上げた。


「ここまで速いやつを見たのは、初めてだな」


 言い終わった瞬間に、再びティバインウルフの突進が来る。


 今度は横に避けずに、ギリギリまで見極め、際どいところで避ける。が、避けた先に見えたのは、ティバインウルフの長い尾だった。とっさに屈むが、間に合わず、まるで猫の尻尾のようにツカサの身体に巻き付け、そのまま頭から地面にたたきつけられる。威力もすさまじく、ツカサのHPの2割強持っていかれた。


「久々にまともな攻撃喰らったな。…ただの獣型なら楽だと思ってたのにな」


 ツカサの言うことは、SAOにおいては一般論だ。人型モンスターの場合、一番の特徴と、そして面倒なところは、ソードスキルを使うことである。もちろん、プレイヤーが使うような10連撃近いものは使えないが、数連撃や単発の物だけでも十分脅威となりうる。


 その点、獣型はソードスキルを使えないので、人型よりも弱いという見方が強い。


 


 が、このティバインウルフはソードスキルが使えないその代わりに、スピードや攻撃の仕方が大きく工夫されている。



 再びの突進。だが、ここまで来て、ツカサが同じ手に引っかかるはずもなく、素早く攻撃を避ける。


 槍 3連続刺突技 トリプル・スラスト


 脇腹のあたりをリカント・ヴェンデッタの槍身が抉り、血のような赤いライトエフェクトを発生させる。だが、それでも10本あるHPバーのうち、1本の1割も削れていない。

 思わずツカサは舌打ちをした。


「やっぱり火力不足か…」




 通常のモンスターでは全く気にならないのだが、ボスのように、一体のモンスターを共同で倒すとき、いつものパターンでは、武器の耐久値がリアよりも高いツカサが攻撃をはじきあげたり、ガードなど、タンクのような役割をし、リアがそのすきに最大威力のソードスキルを叩き込み、そして、リアがスキル後硬直をしている間に、ツカサがまたタゲをとる、ということの繰り返しをする。


 単純に大身槍と片手剣では、大身槍のほうが威力は高いが、リアのほうが筋力値が高い上、手数が多いソードスキルがある関
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