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2章 生き様
14話 単独行動其の一〜ツカサ編〜
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ルで埋まっているツカサには、そのどれかのスキルを捨てて隠蔽スキルと入れる余裕はないし、最大の要因は、2つのスキル両方ともをマスターしているリアがいつでも一緒にいたからである。


 2人でスキルを補い合うようにセットしているため、どちらかがいないと、お互いが困る。一番2人に当てはまっているのは、「2人で1つ」。お互い、そのことをよくわかっていると思ったのだが。







 いくらツカサが懸命に考えても答えはでない。信じられないほど長く、そして死と隣り合わせの時間を共に過ごしてきただけに、言葉にするよりも察するほうが多くのことがわかる間柄ではあるが、それでも言葉にしなければわからないことはある。まさに、これはいい例だ。



「またあとで聞くべきか…おっと!」

 後ろからかすかな、何かが羽ばたく音がして、ツカサが横に飛ぶと、先ほどまでツカサが歩いていた直線状に、黒い、人の頭よりも二回りほど大きな物体がかなりのスピードで通り過ぎる。その脚にある鉤爪は、しっかりと立てられ、前に突き出されていて、まさに獲物を捕らえんとする体制だ。

 ツカサは息を吐きながら、愛槍を構えた。


「これだから索敵スキルは重要なんだよな。リアがまた同じことを言う前に、今度から真面目にレベル上げするか…」


 奇襲攻撃さえよければ、その鳥形モンスターに勝ち目はない。その身は、あっさりとリカントヴェンデッタの餌食となった。






 




 たまに奇襲攻撃は受けながらも、それでも湧き出てくるモンスターたちをなぎ倒しながら歩くこと30分ほど。今まで直線だった道は、上へと続く螺旋階段に変わっている。といっても、かなりの横幅と高さはある。


 この層の地下へと降りてきたのだから、帰りは昇るのが当然だろう。だが、ここに来た理由は、依頼されているインゴットを、フィールドボスを倒して手に入れること。無事に地上に戻ることが目的ではない。このままダンジョンを抜けてしまうとしたら、ボスはリアの行った道にいることになる。となれば、引き返すべきか。いや、きちんと最後まで確認のために上ろう。

 
 そんなことを考えながら階段を昇るツカサの目に、一つのものが目に留まった。それは、螺旋階段の壁に彫り込まれた彫刻のようなものである。その絵柄に、見覚えがありすぎて、ツカサは思わずつぶやいた。

「…ボス部屋の奥の階段の絵によく似てる…」

 ほぼ毎回といっていいほど、あの階段を通ってきた。あそこの壁には、次の層を現すモチーフなどが精巧に彫り込まれており、それを見れば、たいがいどんな層かがわかる。


 つまり、この階段に、同じようなものがあるということは…

「この先に、ボスがいるってことか」


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