ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
14話 単独行動其の一〜ツカサ編〜
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「はぁ…」
ツカサは何度目かわからない溜息を吐いた。
壁を流れていたマグマもなくなり、気温としては少し暑いが割合過ごしやすい温度になって、思考力もだいぶ回復したのはありがたいのだが…
「なんで急に単独行動にしようなんて言い出したんだ…?」
そう。ツカサの憂鬱の原因はこれである。この状況のせいで、ツカサは何度も溜息を吐かなくてはいけないのだ。
正直、リアが単独行動をしようと言い出した時、最初は反対しようと思った。だが、まるで一人は怖いといっているようで、さすがにそれは男のプライドが許さなかったのである。
この2人の戦闘スタイルの最大の特徴は、コンビをいつでも組んでいても、スイッチを行わない、ということだ。通常、2人以上のコンビかパーティーを組んだ場合、ほとんどの場合、一人がソードスキルで相手の攻撃をパリィし、スキル後硬直している間に、もう一人が飛び込む、といった戦闘法をとる。
こうすれば、体制が崩れても立て直せるし、回復も容易になる。ずっと使われている優秀な戦闘法だ。
一方、リアとツカサの場合、もしモンスターが1体ポップしたら、どちらか一方が一人で相手をし、2体出た場合は、それぞれ一体ずつ、3体出たら、先に最初の1体を倒したほうがもう1体をしとめる、といった具合に、一人につき1体つくようになっている。そのため、一切スイッチなどはしない。
なぜこんな戦闘法をとっているかといえば、1つはツカサの武器が関係している。ツカサの武器は、槍の中でも、“大身槍”というカテゴリーに入る槍である。大身槍の最大の特徴としては、槍身が非常に長いことだ。ツカサの愛槍“リカントヴェンデッタ”は、槍身が1m30pと、非常に長い。そのため、コンビでスイッチを使用して戦うには少々不便なのだ。
そして、1番の理由としては、ただ単に、スイッチがないほうが効率がいいからだろう。ちまちまとスイッチをして、少しずつ敵のHPを削るよりも、一人でバンバン攻撃を叩き込んだほうが早い。
なぜこんなことを長々説明したかといえば、ツカサは単独“戦闘”には非常に慣れている、ということを知ってほしかったのである。
では、ツカサが単独”行動”を躊躇したのか。
それは、ツカサのスキルの問題だ。
ツカサの索敵スキルの熟練度は427。このレベルのダンジョンでは、何の役にも立たない熟練度である。そして、隠蔽スキルに至ってはとっていない。単独行動には必須とされているこの2つをツカサは持っていないのである。
限られたスキルスロットのうち、3つは生産スキルで埋まり、そのほかはバトルスキ
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