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魔法科高校の劣等生 〜極炎の紅姫〜
有志同盟
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う」
「フフ、そうですね」
「変わらないわね」

深雪の方は、どこか楽しげな口調で。
深紅の方は、どこか呆れたような口調で。

「でもお兄様。わざわざ壬生先輩のプライベートナンバーを保存していらした理由は今更ではありませんので、後ほど詳しく話を聞かせてもらいますね?」

深雪は満面の笑みで、さらにこう付け足した。
深紅はどうやら、この場は深雪に全てを任せることに決めたようだった。
??????
「私たちを騙したのね?!」

放送室を占拠していたのは、沙耶香を含める五人。
そして沙耶香以外の四人は風紀委員に拘束されていたが、沙耶香はCADを没収されるだけにとどまった。
摩利が達也の名誉に配慮か結果だ。

「司波はお前を騙してなどいない」

達也を更に言い詰ろうとした沙耶香の背中に、克人が重く低い声をかける。

「十文字会頭……」
「お前たちの言い分は聞こう。交渉にも応じる。だが、お前たちの言い分を聞くことと、お前たちのとった行動を認めることは別問題だ」

沙耶香の態度から、急激に攻撃性が失われる。
克人の放つ迫力に、沙耶香の怒りは呑まれていた。

「それはまぁそうなんだけど、彼らを放してあげてもらえないかしら」

その時、この声と一緒に小さな人影が達也と壬生の間に割り込んだ。

「だが真由美」
「言いたいことは理解してるつもりよ、摩利」

反論の構えをとった摩利の言葉を、真由美は途中で遮った。

「でも、壬生さんだけじゃ打ち合わせはできないでしょ?
それに、彼らはこの学校の生徒なんだから、逃げるという手段も取れないわ」
「私たちは逃げたりしません!」

真由美の言葉に、沙耶香が反射で噛み付く。
真由美はそれを、完璧に無視した。

「先生方は、これらのことを全て生徒会(私たち)に任せるそうです。
ということで壬生さん、これから打ち合わせをしたいのだけど、ついて来てもらえるかしら」
「……構いません」
「十文字くん、お先に失礼するわね」
「承知した」
「摩利ごめんなさい、手柄を横取りするみたいで気がひけるのだけど」
「手柄のメリットなどないから気にしなくていい」
「そうだったわね。
じゃあ達也くんも深紅ちゃんも深雪さんも、もう帰っていいわよ」

意表を突かれ、三人は一瞬黙り込んだ。

「はい……それでは失礼します」

一番先に回復したのは深雪。
一礼する深雪に続いて、深紅と達也も無言で頭を下げ、その場を去った。

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