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魔法科高校の劣等生 〜極炎の紅姫〜
有志同盟
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『全校生徒の皆さん!』

授業が終わり教室のみんなが帰り支度をしている時、ハウリング寸前の大音声がスピーカーから流れた。

「何だよ一体こりゃぁ」
「ちょっと落ち着きなさいよ、暑苦しい!」
「……エリカちゃんも落ち着いて」

何人かの生徒が慌てふためく中、

『失礼しました。全校生徒の皆さん!』

今度は少し決まりが悪そうに、同じセリフが流れた。

「ボリュームの絞りをミスったようだな」
「達也、そこをツッコンでる場合じゃないと思うよ」

深紅もね、とエリカは思ったが、口には出さなかった。

『僕たちは学校内の差別を撤廃する、有志同盟です』
「……達也、この前のことと関係があるよね?」
「あるだろうな……ほぼ間違いない」

達也が沙耶香に聞いた「待遇改善要求」は、深紅もすでに知っている。
この放送ジャックはその「待遇改善要求」のためのものだろう、とすぐにわかった。

『僕たちは生徒会と部活連に対し、対等な立場における交渉を要求します』
「ねぇ、行かなくていいの?」

机に座ったままスピーカーに目を向けていた達也と、その机のすぐ横に立っていた深紅に、エリカがそう声をかける。
その声音は、ワクワクとした感じを隠しきれていない。

「……そうだな、行ってくるか」

ちょうどいいタイミングで、深紅と達也の携帯端末が震えた。
委員長(摩利)からのお呼び出しだろう。

「じゃあね。エリカ、美月、レオ」

深紅は緊張感のかけらもない声、表情で、三人に手を振り、達也と一緒に教室を出て行った。
??????
途中で会長(真由美)に呼ばれた深雪と合流し、放送室前に向かう。
そこには既に、摩利と克人と鈴音、風紀委員会と部活連のメンバーが顔を揃えていた。

「遅いぞ」
「すみません」

摩利からのポーズだけと叱責に、ポーズだけの返す。
みんなが中に踏み込んでいないのは、扉が閉鎖されてる所為だろう。
犯人たちは、なんらかの方法で放送室のマスターキーを手に入れたらしかった。

「明らかに犯罪行為じゃない」
「その通りです。だから私たちも、これ以上彼らを暴発させないよう慎重に行動すべきでしょう」

呟いた深紅は完全に独り言のつもりだったが、鈴音はそうは思わなかったらしく真面目な返事を返した。

「こちらが慎重になったからといって、相手側が聞き分けよくなるとはあまり思えない。
多少強引でも早々に解決するべきだ」

すかさず摩利が口を挟んできた。
意見の対立が膠着状態を生んでいるのだろう。

「わたしも委員長に賛成です。このままここで止まっていても、ことは進まないでしょう」

深紅も摩利に同意を示す。
彼女は別に好戦的なわけではないが、モタモタと待つのはあまり
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