番外編〜『最強』の悩み〜
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みたんだ。」
「へぇー。じゃあさ!久しぶりにボクと一緒にバスケしよ!」
…………皐月の眩しい笑顔の前には、誰も逆らうことはできないと思う。無論、今のオレでも、だ。
「あぁ。この格好でもいいか?」
「全然OKだよ!」
オレは本当に久しぶりにバスケットボールを手にした。この表面のぶつぶつとした感触は嫌いじゃない。
「そういえば、体の方は大丈夫?」
「あぁ。むしろ精神的に来てるところだ。」
オレは皐月の質問を軽く流しながらドリブルを始めた。あれ、バスケットボールってこんなに重かったっけ。
「ふぅん。でもさ!木曾なら絶対次はあのレ級に勝てるよ!」
チクリ。
「っ…………どうして、そう思うんだよ?」
オレはゴールの方に体を向けて、皐月から顔をそらした。
「だって、
あんなに頑張ってる木曾が、負けるはずないもん!絶対大丈夫だよ!ボクが保証するよ!」
皐月は、嫌というほどの眩しい笑顔を浮かべた。
―ちげぇんだよ。
だったら、こないだは勝てたはずだろ?でも、実際はそうじゃなかった。
届かなかったんだよ。
オレはボールを両手で持つと、ゴールに向かって投げてみた。
ゴールにすら、届かなかった。
オレは、どうすればいいんだよ。
「…………木曾?」
皐月の心配そうな声が、やたら遠くに聞こえた。
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