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提督はBarにいる。
艦娘とスイーツと提督と・25
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かったか?なるべく甘くしてエネルギー源になるようにしたんだが」

「あぁいえ、甘いのは大丈夫でありますよ!文句なしに美味いであります!ただ、やはりあの戦争の時に比べて今は恵まれているなと」

「……だろうな。俺も爺さんから聞いた事がある」

「おや?隊長殿のご祖父はあの戦争に?」

「あぁ。海軍で金剛に乗ってたらしい」

 まさかその戦艦の転生?した女に惚れて嫁にするとは思ってなかったがな。

「しかし、確か金剛の最期は潜水艦に……」

「早い時期に大怪我したらしくてな。予備役扱いになって下ろされたらしい」

「……成る程、運が良かったのでありますなぁ」

「だな。親父も戦後生まれだから、爺さんが戦時中にくたばってたら俺は存在してない事になる」

「……あの時代ーー特に終戦間際は、正に骨身を削り、爪の先に火を灯して戦うような極限状態だったであります。このような甘い物等贅沢の極みのような物でありますから」

「『人は尊厳と食い物があればこそ人足り得る。尊厳が無くとも食い物があれば取り敢えず死なん。食い物が無くとも尊厳があれば正気は保つ。両方無くなると……どうでもよくなる』。俺の柔術の師匠の受け売りだ」

「正に骨身に染みる言葉でありますなぁ」

 そういう教えもあって、俺は鎮守府内での食糧の生産に肯定的だ。まぁ、普段から美味い物が喰いたいという個人的な願望も混じってはいるが。

「……ふぅ、ご馳走さまでありました」

 お汁粉を3杯もお代わりして食ったあきつ丸は、食後のお茶を啜っている。その間に、他の輸送部隊の連中にもお汁粉を振る舞う。そしてタンカー等に輸送物資を積み込み、出発の準備が整った。




「さて、ではもうひと踏ん張りしてくるであります」

「すまんな、揚陸艇は数が少ないからどうしても皺寄せが」

「あはは、無い袖は振れぬでありますよ、提督殿。その分、ボーナス期待してるであります!」

 なんというか、そういう所強かになってきてる辺り、あきつ丸もウチに染まってきてるなぁ……と改めて思う。

「稼いだ分はキッチリ払うさ。ウチは健全ホワイト経営だぞ?」

「労働内容はブラックというかダーティでありますがな?」

「うるせぇ、とっとと出発しろい!」

 やれやれ……もう少しお汁粉、仕込んどいてやるか。
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