巻ノ百二十九 木村初陣その六
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「鴫野の堤の方にも軍勢が来ました」
「上杉殿の軍勢じゃな」
後藤は猿飛に馬上から問うた。
「そうであるな」
「はい」
猿飛は後藤に即座に答えた。
「その旗印は」
「やはりな、ではじゃ」
「そちらもですな」
「守らねばならん」
「では我等が」
「お主達はそっちに行ってもらうか」
「直江殿がおられるからですな」
猿飛は後藤が自分達に命じた理由をすぐに察した。
「だからですな」
「そうじゃ、直江殿ご自身もお強く」
「しかも上杉家も忍達を抱えており」
「強い」
その忍達がというのだ。
「だからじゃ、上杉の忍達はな」
「我等が抑え」
「そしてじゃ、ここはな」
「後藤殿と木村殿がですな」
「抑える、ただしな」
「鴫野の方もですか」
「状況次第でな」
まさにそれによってというのだ。
「向かう」
「そうされますか」
「そうじゃ、そして場合によってはな」
後藤は木村を見て彼に話した。
「木村殿にな」
「それでは」
「その時はお願い申す」
こう言うのだった、そして今は二人で今福の堤で戦っていた、そしてその間でも鴫野においての戦は。
十勇士達が兼続が率いる精兵達、まさに謙信が率いているかの如き猛者達と死闘を繰り広げている間にだった。
景勝が率いる軍勢が攻めていた、それを見てだった。
戦の場に戻っていた服部は慌てて義兄弟である十勇士達に言った。
「これは厄介じゃぞ」
「うむ、上杉殿が率いられる軍勢がな」
清海が応えた。
「攻めておられるな」
「このままではじゃ」
さらに言う猿飛だった。
「ここは危ういぞ」
「我等は直江殿の軍勢を相手にするだけで手が一杯じゃ」
「上杉殿もかなりのお強さ」
その采配はとだ、筧が言った。
「流石は謙信公の後を継がれた方」
「まことにな、このままではな」
根津が筧に応えた。
「ここでの戦は敗れる」
「そうじゃ、我等は直江殿の軍勢の相手で手が一杯じゃ」
筧は術を放つがそれが普段通りにはいっていない、幻術にも惑わされず火や水を受けても一撃や二撃では倒れない。
それでだ、筧も言うのだった。
「これではな」
「上杉殿の軍勢まで手が回らぬ」
こう言ったのは海野だった、水を地面から吹き出させそれで兵達を吹き飛ばすがかわす者も多いのが実情だ。
「これではな」
「今福からの援軍を頼みましょう」
伊佐は錫杖を振るいつつ言った。
「それしかありません」
「そうじゃな、ではここは」
望月が伊佐に応えて申し出た。
「わしが行く」
「そうするか。ではここはじゃ」
穴山は鉄砲を次から次に放ちつつ望月に応えた。
「わしが受け持つ、お主は早く行け」
「済まぬな」
「礼はよい、困った時はお互い様じゃ」
や
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