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儚き想い、されど永遠の想い
58部分:第六話 幕開けその二
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ピアノの演奏会に向かう。そしてそれは。
 真理もだった。彼女は今厳しい顔の痩せた初老の男と話をしていた。彼はだ。真理に対して重く低い声でこんなことを話していた。
「御前もそろそろだ」
「そろそろといいますと」
「相手を決めなければいかんな」
「相手をですか」
「生涯の伴侶をだ」
 こう話すのだった。
「そろそろな」
「あの、それでしたら」
「何だ、相手はもういるのか?」
「いえ、それは」
 言えなかった、そのことは。しかしだった。

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