暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1999話
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だったんだから、ルキア並みの……もしくはそれ以上の探査能力を求めるという方が無理なんだろうが。

「分かった。なら、戻っていいぞ」

 そう告げると、刈り取る者は再び俺の影に消えていく。
 それを見送り、改めて周囲の様子を見回すも……そこに、イレギュラーシャドウの姿を見つける事は出来ない。
 さて、どうしたものやら。
 ここにいるようで、いない。いないようでいる。
 山岸は、そんな風に表現していたよな。
 って事は、そこら中にある存在がイレギュラーシャドウに変わっている?
 普通に考えれば、空気とか。そういう風に思うが……けど、こうして周囲の空気の様子を見ても、特に何かがあったという風には感じない。
 だとすれば、それ以外の何か……何だ? 土? いや、このポロニアンモールは桐条グループの開発によって、土が剥き出しになっているような場所は……いや、違うな。
 表面上はコンクリートで覆われていても、そのコンクリートの下には当然のように土が存在している。
 となると、やはりその土が怪しいという事になるような気がする。

『足の下……編目? 地下にある、四角い存在……』

 山岸からの声が聞こえてくる。
 どうやら、今の状況でもイレギュラーシャドウを探しているらしい。
 苛めにあっていた時は自分の境遇を受け入れて、自分からは何も行動しなかったが、有里と付き合うようになって変わったというところか。

『編目でありますか。そうなると、地下ケーブルが関係あるのかもしれません。ポロニアンモールが開発中、工事用電源がこの近くにあった筈で、相当量の電気ケーブルが放置されたままになっている、と私の情報にはあります』
『そうか! 以前戦ったモノレールや戦車の時のように、ケーブル全体を乗っ取っているのか!』
『……見つけました! ケーブルを逆流して辿った電源の先……イレギュラーシャドウの本体は、クラブエスカペイドです!』

 山岸の声が、そう周囲に響くのだった。
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