暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜西風の絶剣〜
第34話 空賊との戦い
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だ、俺はシェラザードさんに無理やりお酒を飲まされてそれから寝てしまっていたのか……


「いたた……酷いよ、リート君」


 オリビエさんは顎をさすりながら起き上がってきた。どうやらアッパーを喰らう寸前に自分から後ろに飛んでダメージを軽減したようだ。


「オリビエさんが悪いんですよ、人の寝こみを襲おうとする不埒ものには当然の対応です」
「酷いなぁ、僕はリート君を起こしにしたんだよ。そしたら君がいきなり抱き着いていたんじゃないか」
「えっ?それは本当ですか?」


 だったらマズいな、オリビエさんは悪くないのに手を出してしまったぞ。


「それは申し訳ございませんでした。俺の勘違いでアッパーなんかしたりして……」
「それはもういいよ、それよりもフィーというのはどんな子なのかな?」
「……もしかして俺、寝言言ってました?」
「うん、僕に抱き着いて「フィー……フィー……」ってうわ言のように言ってたよ」


 ……やってしまった。いくらお酒を飲んでしまったからとはいえうっかりフィーの名前を出してしまうなんて……


「オリビエさん、忘れてください」
「えー、無理」
「そこを何とか」
「いや無理だよ、だってメチャクチャ気になるもん。もしかして君のこれかい?」


 オリビエさんはニヤニヤしながら小指を立てる。くっ、ムカつく……


「……その子は俺の妹です。後フィーじゃなくてフィルです。さっきのは俺が寝ぼけて間違えていただけですから」
「へえ、リート君にも妹がいるのか。僕にも弟と妹がいるんだけどどちらも可愛くてね、自慢の家族なんだ」


 オリビエさんにも兄弟がいたのか……でもこの人の兄弟だから性格も似てるのかもしれないな。


「弟は母親によく似てるんだけど妹は僕や父親に似たのか結構お茶目な性格なんだ」
「なるほど、あなたの性格の由来は父親からなんですね」
「どっちももう13歳になるんだけど、弟はともかく妹はそろそろお婿を探さないといけない年でね、リート君が良かったら妹の婚約者にならないかい?」
「冗談はやめてくださいよ、ただの一般人が貴族に婿入りなんてできるわけがないでしょう?」
「そうかな?妹なら君を気に入ると思うんだけどね」
「はいはい、お戯れはそこまでにしてください」


 これ以上は話が脱線しすぎて修正が効かなくなるので俺は話を変える。


「それで何があったんですか?エステルさん達もいないしあなただけですよね」
「うん、どうやらシェラ君達は僕らを酔わせてここに置いていくつもりだったんだ」
「道理であんなに絡んできた訳だ、最初から計算していたんですね?」
「そうみたいだね」


 やっぱり一般人を連れて行くのには思う事があったんだろうな。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ