第5章:幽世と魔導師
第150話「大門の守護者」
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で、私の刀を大きく弾いてきたのだ。
その代償として、彼女は隙を晒すはずだったが、代わりに持ったのは扇。
それで私に対し、扇ぐように振るい、一瞬で術式を発動させてきた。
おまけに、術式同士を掛け合わせて威力もかさまししていた。
「ッ!!」
咄嗟に、魔力を爆発させる。その反動で術を回避する。
これなら、短距離転移よりも早く発動できる。
「はぁっ!!」
―――“刀奥義・一閃-真髄-”
術式をギリギリで回避した直後に短距離転移を発動。
背後に回ると同時に、強力な一閃を放つ。
「くっ!」
―――“Durchbohren Beschie?ung”
しかし、既にそこに守護者はいない。
即座に下に向けて砲撃魔法を放ち、それを突き抜けていた矢を掴み取る。
「(……何?……これは……)」
力量を見て、“勝てる”とは思った。
しかし、先程から“このままでは危険だ”と言う警鐘が治まらない。
「ぁぁっ!!」
魔力を足場に、守護者に向けて跳躍。
同時に、体を捻る。そうする事で、飛んできた矢をギリギリで躱す。
「はぁああっ!!」
「シッ!!」
―――“刀奥義・一閃-真髄-”
―――“刀奥義・一閃-真髄-”
そして、上下にすれ違うように、互いに一閃を放つ。
「ッ――――――!?」
……その瞬間、“ゾクリ”と悪寒が背中を駆け巡った。
そして、頬に一筋の傷ができる。
「(互いに、僅かな傷を与えて終わり。……なのに……!)」
本来なら、戦闘中ならば気にしない傷。
それなのに、チリチリと、意識外に追いやれない“痛み”を感じる……!
「ッ、何が……!?」
転移魔法で、一度間合いを離す。
付け入る隙を与えると分かっていても、僅かにでも考える時間が欲しかった。
「(ずっと頭の中を駆け巡っていた警鐘の正体は、これか……!)」
警鐘の正体は分かった。しかし、何故?
……何故、たったこれだけの傷に、ここまでの痛みを感じる?
―――「土宇裳伊様が討たれる事で、均衡を保つというものです」
「――――――」
瀬笈さんの言葉を、ふと思い出す。
土宇裳伊は、幽世における記憶の神だ。それを、彼女は討った。
それに、私が知らないだけで、妖と同一視されるような神も討っていたかもしれない。
その事に気づき、血の気が引く。もし、この推測が正しければ……!
「(神降しをしている私は、危なすぎる……!)」
“神を討つ”。それは、人の身では到底成しえない事だ。
だからこそ、実際に神を討った人間(純粋
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