諸君、敵襲だ
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に対して言葉を返す朱乃。
だが彼女の目は全く笑っていなかった。
このことから彼女もライザーのことを毛嫌いしていることが伺える。
彼女は即座にソファーに座すウィスの隣へと腰を降ろした。
ウィスはオカルト研究部の混沌とした空気をものともせずに先程から自作のデラックスストロベリーパフェを口に運ぶ。
膝上で無言の催促を促す小猫には餌付けを行っている。
小猫からはちきれんばかりの尻尾と猫耳を幻視した。
同じく無言の催促を行う朱乃にも「はい、あーん」を行う。
ウィスは朱乃からも小猫と同じく尻尾と猫耳を幻視した。
だがウィスは終始、ライザーを射抜いていた。
「─。」
─弱い。余りにも。彼らと比肩するまでもない程に─
余りにもこの世界の悪魔は弱い存在であることを再認識させられる。
一体この世界の悪魔とはどのような存在なのだろうか。
膝上の小猫の頭を優し気に撫でながら、感慨深けにライザーという悪魔を値踏みしていた。
あっ、一誠が吹き飛ばされた。
双方の主張を踏まえ、リアスの政略結婚騒動はレーティングゲームにて決着を行うことが決められた。
どう考えてもリアス達が不利なのだが。
あの焼き鳥ライザーくんは既に自身の眷属を全駒揃え、レーティングゲームの経験も豊富とのこと。
加えてフェニックスの不死性ならぬ再生能力をあの焼き鳥くんは有しているのだ。
現状のリアス達の力では到底彼らに勝つことは不可能だろう。
リアス達はどこか縋るような目で此方を見ている。
ライザーという格上の相手がこの場から立ち去ったことで緊張の糸が切れたのだろう。
部室を静寂が支配する。
誰もが言葉を発さない。
否、発せない。
ウィスは変わらずデラックスストロベリーパフェを優雅に食していたが。
ん〜、我ながら上品な出来ばえ
「ウィス、その、昨日のことなんだけど……。」
目線を弱々し気に床に下げ、覇気のない声で此方に話しかけてくるリアス。
言うまでもなく今の彼女は彼女らしくなかった。
そんな彼女に対してウィスは─
「そうだな。だが先ずは──
──紅茶でも淹れようか。」
紅茶を所望した。
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