諸君、敵襲だ
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夜這いに来る理由が。
それともそういった常識に頭が回らない程に彼女は追い詰められているのだろうか。
眷属でもない自分に頼る程に。
それともリアスと彼女の眷属では解決できない程に縁談相手の悪魔との実力が隔絶しているのか。
疑問は尽きない。
思案気にリアスを見据えるウィスの知覚範囲内に突如魔力が出現した。
室内に迸る魔力。
先程と同様に寝室の床に魔法陣が現れる。
寝室は再び光に満たされ、ウィスとリアスの2人を照らし出した。
光が収まり、魔法陣が光っていた場所には一人の女性の悪魔の姿が。
奇行に走ったリアスを止めるべく遣わされた使者であろうか。
「リアスお嬢様。婚約を破断させるために眷属でもない見ず知らずの下賤な男に操を立てるおつもりですか?」
メイド服越しでも伺える魅力的なプロポーション。
銀の髪に、此方を鋭く射抜く銀の瞳。
その佇まいは洗練され、その身には莫大なまでの魔力が宿っている。
このことから彼女が余程の手練れであることは間違いないだろう。
「貴方は?」
"下賤"と出会い頭に呼ばれ、何も感じないわけではないがウィスは彼女が誰なのかを尋ねた。
「申し遅れました。私はグレモリー家にお仕えするグレイフィアと申します。この度はリアス王女様がご迷惑をおかけました。」
グレイフィアと呼ばれる女性悪魔はウィスへと深々と頭を下げる。
見知らぬ男性にさせメイドとしての本分を尽くすその心意気、正にメイドの鑑である。
だが一見冷静沈着な様子のグレイフィアの内心は荒れに荒れていた。
そう、眼前の男の存在そのものに。
彼からは全くと言っていいほど何も感じないのだ。
魔力も、光力も、神機所有者特有の気配も感じない。
ましてや生きとし生ける全ての生物が有する生命の躍動さえも。
本来ならばいくら力を抑えていたとしても何も感じないことなどありえない。
故にグレイフィアは眼前の男の存在を御しきることができなかった。
己の主であるリアスと何らかの関係を持っているのならばただの一般人である可能性は低い。
何らかの特別な力を有しているはずだ。
恐らく悪魔でも、天使でも、堕天使でもないだろう。ましてや人間でもない。
ならば本当に眼前の男は何者なのだろうか。
疑問が尽きることはない。
ただ一つ言えることはこの男の存在は未知数であり、自身の一存で判断していいことではないということだ。
故にグレイフィアがこの男の存在を早急に自身の主であり、最愛の夫であるサーゼクスへと報告する決意をするのにそう時間はかからなかった。
リアスはその後グレイフィアと共に魔法陣の転移を用いること
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