ペルソナ3
1998話
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「アクセル、天田に訓練をしてくれたそうだな。感謝している」
天田と草原に行った日の翌日、俺は学校で美鶴に会うと、そんな風に感謝の言葉を述べられた。
「別に訓練ってくらい本格的に鍛えた訳じゃないけどな。どちらかと言えば、同じ槍使いってことで、ちょっと遊んだって程度だな」
「それは少し大袈裟すぎると思うけどな。昨日寮に戻ってきた天田は、心の底から疲れ切っているようだったぞ? それこそ、食事をしたらすぐに眠ってしまったくらいだ」
「寝る子は育つって言うだろ? ともあれ、天田はS.E.E.Sの一員だ。本格的に俺が訓練をするような真似をすれば、色々と不味いんじゃないか?」
美鶴の様子から、特に怒っているようではないというのは分かったが、一応といったように尋ねておく。
だが、それに対して美鶴が俺に向けてきたのは、苦笑だった。
「何を今更言っている? 今まで、私達は何度もアクセルに鍛えられてきただろう? なのに、天田だけが駄目だとは言えないさ」
「そうか。……そう言って貰えると助かる。なら、次に天田が鍛えて欲しいと言ってきたら、もう少し真面目に訓練に付き合わせて貰うよ。……まぁ、天田の体力を考えれば、寧ろ昨日程度の訓練の方がいいんだろうけど」
昨日程度の運動でそこまで疲れていたのだとしたら、それこそ本格的な訓練を施そうものなら、体力的な意味で色々と不味いだろう。
まず、何をするにしても基礎体力が必須になるのは間違いない。
……小さい頃に無理な筋力トレーニングをやると成長に悪いって話は結構聞くから、基礎体力不足を補うよりも、実戦形式を多くやった方がいいだろうな。
特にシャドウと戦うという事では、そっちの方がいいと思う。
「それで……明後日の件だが、問題はないか?」
一瞬、明後日の件と言われて、美鶴とどこかに出掛ける約束でもしてたか? と思わないでもなかったが、すぐに満月の事だと思い出す。
そう、満月。……つまり、イレギュラーシャドウが出てくるだろう日だ。
「問題ない。……ただ、少し心配なのは、タカヤの仲間のジンだったか? あいつが出て来て、妙なちょっかいを出さないかという事だな。タカヤの方の尋問はどうなっている?」
尋ねるも、返ってくるのは首を横に振るという行為だ。
「私も尋問しているところを見せて貰ったが、そもそも決定的に会話が噛み合っていない。恐らく、あのタカヤという人物には元からこちらと会話をする気はないのだろう。……色々と情報を持っているのは確実だと思うんだが、な」
破滅願望のあるタカヤにしてみれば、桐条グループに囚われて尋問をされているというのは、そこまで大変なものではないのだろう。
勿論それは、厳しい尋問……いわゆる、拷問の類をしていないからというのも大き
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