五つの祈り
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
和感を持った。
「この戦争で?」
「なぜそんなことが断言できる」
確かに死傷者が出ているが、妖精の尻尾からそれが出る可能性だって十分にある。それなのに彼ははっきりと断言した。それはまるで未来を知っているかのように。
「知ってるさ。俺は・・・」
「まさか・・・こいつ・・・」
手を向けて魔力を高める。ギルダーツはフラフラのスティングと、それを支えるローグとグラシアンを守るように立ちはだかった。
「その未来を変えるために来たのだから」
放たれたレーザー光線。それは一瞬のうちにギルダーツの左腕を貫いた。
「見えてきたゾ」
反撃を許さぬ猛攻を見せるアルバレス軍。その絶望的な状況の北部に、不思議な形をした乗り物がやって来た。
「移動神殿オリンピア、到着〜」
その不思議な乗り物は、ソラノがアルバレスで情報を仕入れた時や、そこまでシリルたちを連れていく際に利用した移動型の神殿。どうやら海だけではなく陸地でも移動ができるらしく、彼女たちはそれに乗ってやって来たらしい。
「六魔将軍の力、見せてやろう」
「今は魔女の罪デスネ」
やる気満々のマクベス、胸に手を優しげな表情を浮かべているリチャードがそう言う。
「あっれ〜?雪山って聞いてたゾ?」
「そう聞いてたんならその服装どうなんだよ」
雪が無くなっていることに驚いているソラノだが、彼女はシリルたちと会った時と同じ水着姿。言動の一致しない彼女にソーヤが突っ込みを入れる。
「どうでもいいが早く降ろせ・・・うぷ」
戦闘にいつでも動き出せる準備が整っていた四人に対し滅竜魔導士であるエリックは乗り物酔いを発症しており彼らの後ろでうずくまっている。戦場へと到着した彼らはオリンピアから降りると、ぶつかり合う人々を見下ろす。
「ゼレフを倒せば、真の自由が手に入る・・・」
「我々五人の祈りを叶えるために・・・」
「共に戦おう」
かつて楽園の塔建設のために捕らえられた彼らはそれぞれが祈りを持っていた。それを叶えるべく、この争いの絶えない世界から解放されるために、五つの祈りを抱えて彼らは戦場へと降りていった。
「!!」
アルバレス軍と対峙する中、ユキノが何かを感じて視線を逸らす。
「どうした?ユキノ」
「いえ・・・何でもありません」
注意が逸れた彼女を心配してミネルバが声をかけるが、彼女は首を横に振り再び戦いへと戻っていく。ミネルバはその仕草に違和感を覚えたが、迫ってくる大軍を倒すために頭を切
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ