第29話
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の動きをまるで自分の掌の上で踊ってくるかのような聡明な考えができるレン教官のような才能はございませんわ。」
「うふふ、謙遜も時と場合によっては嫌味になるわよ?―――――まあ、それはともかく。貴女程の才女が典型的な”貴族の愚物”だった”某主宰”の元公爵と同じ血を引いているとはとても思えないわね。―――あ、でも息子はともかく娘達は優秀だから、それを考えると某公爵家は男性ではなく女性が優秀になりやすい傾向でもあるのかしら?」
「……………フフッ、やはりレン教官―――いえ、”レン教官達”は私の事をご存知でしたか。姫様もいけずですわね、乙女の秘密を何の断りもなく他の方達に話すなんて。」
小悪魔な笑みを浮かべたレンに見つめられたミュゼは少しの間黙り込んだ後苦笑しながらアルフィンの顔を思い浮かべていた。
「あら、アルフィン夫人はシュバルツァー家の跡継ぎの妻の一人として、そしてメンフィル帝国に所属している人として当然の事をしただけよ?第一貴女、”入学前に通っていた女学院”では別に正体を隠したりとかしていなかったでしょう?」
「フフ、それはそれ、これはこれですわ。それで………私の事を知ったレン教官達は今後、私に対してどういう対応をされるおつもりですか?」
レンの指摘に対して笑顔で誤魔化したミュゼは静かな表情でレンに問いかけた。
「別に何もするつもりはないわよ?幾ら貴女が”某主宰”の親類とはいえ、たったそれだけの理由で貴女の事を警戒する程レン達―――いえ、メンフィルの”器”は小さくないわよ。」
「そうですか…………でしたら、私が”10人目”に加わる為に様々な努力をしても、問題はないのですわよね?」
「”10人目”……うふふ、”そういう事”。ま、他人の恋愛事情は見ている方としたら面白いからレンからすれば、むしろ楽しませてもらうけど………貴女が”10人目”に加わりたい理由は大方、政治的な理由も含まれているのでしょう?それを考えると、貴女のリィンお兄さんに対する接触について色々な憶測を考えてしまうわね。」
ミュゼの口から出た意味ありげな言葉の意味を瞬時に悟ったレンは小悪魔な笑みを浮かべた後探るような視線でミュゼを見つめ
「まあ……レン教官ったら、酷いですわ。私はリィン教官に恋い焦がれる大多数の乙女の一人として、リィン教官を慕っているというのに……シクシク……」
見つめられたミュゼはわざとらしく悲しんでいる動作で答えた。
「うふふ、”そういう所もレンと似ているわね。”―――ま、レンは馬に蹴られたくないから人の恋時を邪魔するつもりなんて毛頭ないけど………”貴女達の事情”にリィンお兄さん達を巻き込むつもりなら、まずはレン達に一切全ての事情を話を通さないと、話にならない事だけ言っておくわ。貴女も知っている
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