ほっほっほ、私のレベルは『 』です
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歩も動くことなく片腕のみで一掃したと噂されている。その噂の真偽は未だに分かりかねているのが現状であるが。
正に圧倒的。時代が違えば英雄に至る可能性を秘めた傑物である。
故に檜山大介は目の前の人物が恐ろしくて仕方がない。彼に残された道はすぐさまその場から逃げ出すことであった。
「ほっほっほ、無事ですか、ハジメさん?」
「う…うん、大丈夫だよ、冷凍くん。その…助けてくれてありがとう。」
気まずげにお礼を述べるハジメ。
「ほっほっほ、構いませんよ。友達を助けるのに理由なんていりませんからねぇ。……それよりも例のモノは約束通り持ってきて頂けましたか?」
「も…勿論だよ!今回のゲームは凄いよ!」
「ほう、それはとても期待できますね。」
先程までの殺伐とした空気を霧散させ、彼らは仲良さげに話を進める。
そんな2人へ軽快な様子で話しかけるとある1人の女子生徒の姿が─
「おはよう、ハジメ君、冷凍君!今日も仲良いね!」
そう、ハジメの苛めを無意識に加速させるこの学園のマドンナ的存在である白崎香織、その人だ。
彼女の後ろには八重樫雫、天之河光輝、坂上龍太郎と教室内でもトップカースト的存在である3人が立っていた。
意外なことに冷凍は天之河光輝と坂上龍太郎の2人を快く思ってはいない。天之河光輝は独善的な正義を振りかざす偽善者、坂上龍太郎は脳筋馬鹿と本能的に相容れない存在であるからだ。
「フ…冷凍君、おはよう。」
「ええ、おはようございます、雫さん。今日も貴方のポニーテール似合っていますよ。」
「あ…ありがとう。その…」
口ごもる雫。
「どうかなさいましたか?」
「今日は弁当を多く作ってきてしまって…、良ければ一緒に食べるのを手伝ってくれないだろうか?」
「おや、それは嬉しい申し出ですね。喜んで頂きましょう。」
「そ…そうか。じゃあまた今日の昼休みに一緒に食べてくれ。」
「ええ、喜んで。ときに雫さん、以前話した将来私が運営する予定である貿易会社へのスカウトの件考えて頂けましたか?」
「その、すまない…。その申し出はまだ考えさせてほしい。実家との兼ね合いもあることだし……。」
「ほっほっほ、構いませんよ。いつまでもお待ちしていますとも。」
だが以外にも白崎香織と同じく学園のマドンナとして名高い八重樫雫とは親し気に会話をしていた。
何気ない日常、学友との何気ない遣り取り。
彼らは個人に差はあれど充実した日々を過ごしていた。
だがそんな日常も突如終わりを迎えることになる。
突如教室内に浮かび上がる奇抜な模様が記された魔法陣
異世界トータスへの強制
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