Dr.くれはと一匹のトナカイ
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…んん、順調に回復しているね」
Dr.くれは額に人差し指をかざすだけでナミの体温を測り取る。
え、何その特技。凄い
「あたしゃ、Dr.くれは、医者だよ。『ドクトリーヌ』と呼びな」
「医者。じゃあ貴方が私を……」
「若さの秘密かい?」
「いいえ、そんなこと聞いていないわ」
Dr.くれはの言葉をナミはばっさり両断する。
「チョッパー、あんたはこの桶の水を入れ替えてきな」
「わ…分かった」
Dr.くれはの指示を受け、チョッパーは急ぎ足でこの場を去っていった。
「あ…あの、あの喋るトナカイは一体……?」
ナミが躊躇い気味にDr.くれはへと尋ねる。
「……そうだね。話せば長くなるが、あいつのことをお前達に知ってもらうとするかね」
重々し気に彼女の口から語られるは世にも残酷な一匹のトナカイの過去であった。
「チョッパーを医者として私達のクルーに貰ってもいいかしら?」
「……良い度胸だね、小娘。私の前でチョッパーを奪おうとするなんざ」
どういう経緯を経てその考えに至ったのか分からないが、どうやらナミは彼女の話を聞きチョッパーを海賊へと勧誘する気になったらしい。
確かに現状、自分達の船には医者がいない。
これを機にチョッパーを仲間へと加入するのも悪くないことなのかもしれない。
「あら…男を口説くのに許可が必要なの?」
何て男前なセリフだろうか。
アキトは思わずナミに感心した様子で見詰める。
そんなアキトの視線を受け、ナミは頬を朱に染め、そっぽを向く。
そんな彼女の初々しい反応を見てDr.くれはは「あぁ、そういうこと」と一人勝手に察する。
「……まあ、好きにするがいいさ。ただ、あいつをそう簡単に連れ出せるとは思わないことだね」
「医者は患者の傷は治せても心の底に負った傷までは治せない。今でも、あいつの心の底には当時の傷が深く残っているのは間違いないね」
「さっきも言ったがあいつは生まれた瞬間から仲間外れだったのさ。だからチョッパーは本能的に仲間を求めているんだよ」
『……』
「あんたらはどうだい?この話を聞いてもあいつを化け物とのたまうかい?」
「……チョッパーは医者を目指しているのですよね?誰かを慈しむことが出来るチョッパーが化け物なはずがありません」
医者になることを志しているチョッパーが化け物なわけがない。
誰かを慈しむ心を持つ者が化け物なわけがないはずだ。
「そうよ、アキトの言う通りだわ」
ナミからの援護射撃が入る。
「う…!うるせェーなっ!お前らなんかにそんなこと言われても嬉しくなんかねーんだぞ!バカヤロー、コノヤロー!」
そんな彼らの耳に声が響
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