バカ騒ぎの始まり
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がオフレコなんだ。特許とったら儲かりそうな技術じゃねえか」
なんとか思考力を回復させたレオが、首を傾げる。
それに答える達也は、苦味の強い笑みを浮かべていた。
「一つは、この魔法が未完成であると言うこと。二つ目は、アンティナイトを使わずに魔法を妨害出来ると言う仕組みそのものだ」
「……それのどこに問題があるんだ」
腑に落ちないと言う表情のレオに、エリカが口を挟んだ。
「バカね。大ありじゃない。高い魔法力や高価なアンティナイトを必要とせずに魔法を妨害する力なんて、 下手したら、社会の基盤を揺るぎかねない」
その口調は、割と本気で叱っているように感じる。
「エリカの言う通りだと思うよ」
同意するように頷いた達也に、レオが感嘆のため息を漏らした。
「そこまで考えてるなんてな……。俺なら目先の名声に飛びつきそうだぜ」
「……お兄様は少し考えすぎだと思います。そもそも展開中の起動式を読み取ることも、CADの干渉波を投射することも、誰にでもできることではありませんし。……まぁ、それでこそお兄様と言うべきでしょうか」
「それはただ単に、俺が優柔不断なヘタレだと言いたいのか?」
妹の的確な指摘に、達也は心底情けなさそうな表情を作った。
「さぁ、エリカはどう思うかしら?」
素っ気なさを演じて、深雪がエリカに球を投げる。
「さぁねぇ。深紅はどうかしら?」
次に球を受け取ったのは、深紅。
「わたしに聞かれてもな〜。美月は、どう思うの?」
若干わざとらしい口調で、深紅が最後に美月に球を投げた。
「ええっ?私はその……えっと……」
「誰もフォローはしてくれないんだな」
達也が恨めしそうな目を向けると、深雪は朗らかな笑みを浮かべ、エリカはメニューで顔を隠し、深紅は完璧なアルカイックスマイルを保ち、美月はオロオロと視線を彷徨わせた。
が、助けはどこからも現れなかった。
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