第3章 リーザス陥落
第105話 怒りと笑み
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かれ、封印された。
「―――似ている。そう、だ。その眼だ。そんな眼を……して、いたな」
この場の全員を満遍なく見渡すジル。そして口許を歪ませた。
「……ノス」
「っ……! は、はっ!」
怒りで我を忘れる寸前だったノスを呼び止め、傍らへとやった。
「……少しでも、力を――。用意、致せ」
「ジル様。今彼奴等を始末しては……?」
「く、くく……。少しでも、万全で臨んでやった方が、良いだろう? ……良き戯れだ。久しく、忘れていた感覚、だ」
言葉を発する度に不穏な気配が場に充満していく。
ジルの殆ど変わらない表情が僅かに崩れたのを見たノスは 直ぐに行動に移した。
身に纏うローブを広げ、ジルを覆うと光が生まれた。
「ちっ……、転移魔法、ゲートコネクトの光」
それを見たユーリは直ぐに察した。
光の正体、それが転移魔法であると言う事に。
「だぁぁぁ! 逃げるなぁ!」
ランスもユーリの言葉を訊いたからか、逃げるのだと言う事を察し、飛びかかった。
だが、それが届く事はない。
「命拾いしたな。人間ども……。次は必ず。………必ず、殺す」
ノスの殺気に満ちたドス黒いなにかがこの場に叩きつけられる。
そして、その視線の先にはユーリがいた。ノスの最大のターゲットにされた様だ。
「ちっ、逃げられた。役立たずユーリ。とっととあのクソじじいを殺さないからだ」
「あの一撃程度でノスを殺せるんなら、とっととリーザスくら救えてる」
完全にこの場にいなくなったのを悟るとユーリは少しだけ力を抜き、剣を収めた。
「ユーリ」
「あぁ。大丈夫だ」
志津香が駆け寄り、ユーリの状態を確認する。確かにユーリは見た目問題ない様だ。あの全回復の神魔法のおかげだ。
「少し、気の抜けそうな状況だが……、まだ安心は出来ん。……フェリス。まだあいつらはここにいるだろ?」
「ああ。あの魔王の気配……ここからは消えたが、直ぐ傍に感じる。まだリーザス城の中だ」
傍で控えていたフェリスは 視線を鋭くさせながら天井部を見た。
恐らくはこの上に……リーザス城の最上部にある玉座の間にいるのだろう。魔王だから、ありきたりな場所だとは思えるが。
「決戦の地は上か……。持ち越しだな」
「…………」
清十郎とリックは フェリスと同じく天井を見据える。
彼らも邪悪な気配、魔王の気配を正確に感じ取っている様だ。あれだけの気配を間近に浴び、忘れられる訳がない、と言うのが正しいかもしれない。
「いやはやー。流石に生きた心地はしなかったわねぇー。もうこんなの嫌だから、アイテムたーーっぷり渡してあげるから私は次は遠慮しとくわ。あの魔王前じゃダ・ゲイ
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