第3章 リーザス陥落
第105話 怒りと笑み
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リは 出てくるため息を止めず、あからさまにしていた。。
「無言でため息吐くんじゃない!」
「……それが出来てりゃ、話が早いだろうがっていう無言のアピールだ」
それは いつもの2人のやり取り。2人を見てきている者が視ればすぐにわかる。本当にいつも通りのやり取りだった。
顔を合わせれば何かと言い争っている2人。
だが、言い争っている……と言うのは言葉の綾だ。2人は仲の良い兄弟の様にも見えてしまうから。心情では 思いっきり否定したい気持ちも、今は頼りになり過ぎる2人を見たから、今は息を潜めた。
そしてそれは連鎖していく。
「……当然、よ。負けない。絶対に、負けない」
「リーザスを取り戻す……っ 絶対、私は あの時に誓ったんだから……っ」
志津香とかなみ。
ユーリとランスに負けずと劣らない程の仲の良さがあり、色んな意味で良きライバル。魔王を前にし、心底震え動く事さえままらなかったが、それでも今は違う。前に足を出す事が出来る。進む事が出来る。例え、相手が絶対的な死を齎す魔王であったとしても、座して待ったりはしない。
「ふふ……。まー いつまでも、固まってちゃ話にならないわよねぇ。まだまだヤリたりない、飲み足りない。人生謳歌はこれからだし」
「そりゃそうだ……。ここがゴールだってんだからよ。最後の最後で根性ださねぇとだ」
ミリ、ロゼ。
いつもは大体がトラブルメーカー。
だが、こういう時は 身体の髄から恐怖し、殆どの者が委縮して動けない状態において、その軽口がどれ程救われる事だろう。この2人でさえ萎縮し言葉さえも出しにくそうにしていたのに、今は違った。ランス同様、楽に慣れた様だ。
「勇ましい事極まれり、だ。今に始まった事ではないが女は強い。この場でも素を出せるとはな」
「……ええ。同感です。ですが、彼女達に二番手を譲る訳にはいきません。……我らが出なければ」
「当然だ」
リックと清十郎。
戦う事が何よりの褒美……と明言しているのは清十郎だが、性質においてはリックもそう違いない。この戦争で互いに高め合う間柄となり、無二の戦友と呼べる間柄へとなった。それはこの解放軍皆にも言える事だが、共に傍で戦う時間が一番ながいのがこの2人だったから。
そんな2人でも 魔王の……魔の頂点の気配には 例外なく気圧される。だが、それでも前に立ち、攻撃をする自分達のリーダー的な存在……ユーリ。そして例外ではあるものの、その気質十分なランス。
実に対照的な2人ではあるが、そんな2人を、そして 臆さず怯む事もない女達を見て、魔王の威圧を容易に跳ね返せるだけの力を得た。
「……私達は、神がついてくれています。ぜったい、ぜったいに……っ」
「はい。そうですね。
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